研究課題/領域番号 |
23K10919
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
福島 真実 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30286885)
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研究分担者 |
坂本 香織 女子栄養大学, 栄養学部, 専任講師 (20581218)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 葉酸 / 遺伝子多型 / 生活習慣病 / 個別化栄養 / ホモシステイン / 健康づくり |
研究開始時の研究の概要 |
葉酸をキーワードとした食生活の改善による健康づくりを目的とした健康増進事業「さかど葉酸プロジェクト」は、遺伝子多型別テーラーメイド栄養学の実践である。個人の食事摂取状況と血液検査値に葉酸代謝関連遺伝子多型を加味した栄養介入によって、葉酸栄養状態の顕著な改善がみられ、さらに遺伝子告知が行動変容の動機付けとして有効であることが示された。 本研究では、この取り組みにおける葉酸栄養状態改善によってもたらされる次のアウトカムとして主要な生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病)の関連指標への影響を検討し、生活習慣病予防における葉酸摂取とテーラーメイド栄養指導の有効性の検証を目的とする。
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研究実績の概要 |
葉酸摂取不足は血中ホモシステイン(Hcy)濃度の上昇を招き、動脈硬化症の進展に伴う心血管疾患や脳血管疾患、認知症、腎疾患などのリスクを上昇させる。そこで、我々は葉酸摂取を促進してHcy上昇抑制することで、これらの疾患リスクを低下させて健康づくりにつなげる活動として、葉酸関連の遺伝子多型に基づいたテーラーメイド栄養指導「さかど葉酸プロジェクト」を実施してきた。これまでに葉酸摂取を中心とした栄養介入により血清葉酸濃度の上昇と、血清Hcy濃度の低下を認めている。この取り組みは2006年から現在も継続しており、今回も新規参加者のうちデータが揃っている解析対象者46名のデータ蓄積を行った。血清葉酸濃度の有意な上昇が認められたが、Hcy濃度は変化なく、食事性葉酸および緑黄色野菜摂取量も介入後の有意な増加は見られなかった。葉酸入り食品の利用者は介入前の47.8%から介入後82.6%に増加したことが血清葉酸濃度上昇に影響したといえる。 また、既にデータが揃っている888名のうち処方薬の有無が確認できた692名(64±9.3歳)について解析を進めた。介入前後の値を比較すると、血清葉酸、ホモシステインはいずれも有意な改善がみられた(p<0.001)。血清B12濃度の変化は認められなかった。BMIは有意に減少した。中性脂肪、HDLコレステロール、総コレステロール、HbA1cは有意に変化した。すなわち生活習慣病に関連した指標の改善にも効果があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
さかど葉酸プロジェクト(食と健康のプランニングセミナー」の開催と新規参加者53名(計画では50名/年)、解析対象者46名を得た。葉酸、ホモシステイン栄養状態に加えて、高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病に関連した項目の血液検査、尿検査を実施しており、解析を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きさかど葉酸プロジェクトにおける食と健康のプランニングセミナーを実施して、新規対象者のデータ蓄積をはかる。 これまでの蓄積データにおける多面的な解析も進めていく。その上で新たに検討が必要な項目については、保存血清の活用をはかる。葉酸とビタミンDの関連にも着目し、血清25OH‐ビタミンDの測定を追加する。
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