研究課題/領域番号 |
23K10920
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
福井 道明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30247829)
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研究分担者 |
岡村 拓郎 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (00885163)
中西 尚子 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (40843446)
濱口 真英 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80350883)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 中鎖脂肪酸 / フレイル / サルコペニア / エピジェネティック制御 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
中鎖脂肪酸の摂取は骨格筋萎縮を抑制する効果が期待されているが、その生物学的機序については十分に解明されていない。申請者らは中鎖脂肪酸の継続的摂取により、筋管細胞内脂肪酸(リピドーム)と筋タンパク質合成関連遺伝子発現が変化し骨格筋萎縮が抑制されるという先行知見を得て、中鎖脂肪酸に由来する代謝産物により筋タンパク質合成関連遺伝子エンハンサー領域のヒストンがアセチル化される可能性に着目した。本申請では中鎖脂肪酸による筋タンパク質合成関連遺伝子のエピジェネティック制御を明らかにし、フレイルに対する栄養学的な対策の有用性を新たに提案する。
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研究実績の概要 |
8週齢の雄のC57BL/6Jマウスを用い、中鎖飽和脂肪酸を多く含むココナッツオイルが主成分である高脂肪食を摂取する群(CO群)、および長鎖の飽和・不飽和脂肪酸を多く含むラードが主成分である高脂肪食を摂取する群(ラード群)の2群に分けて12週間飼育した。餌の油分以外の原材料は全く同じであり、各食餌の組成は炭水化物20%、タンパク質20%、脂質60%だった。12週目に握力を測定し、各臓器を採取した。ガスクロマトグラフ質量分析計でヒラメ筋の脂肪酸組成の検討をおこなった。結果、体重当たりの握力とヒラメ筋重量はCO群においてラード群に比べて大きかった。リピドミクスを用いて測定したヒラメ筋1mg中の脂肪酸組成は、CO群ではカプリン酸やラウリン酸等の中鎖飽和脂肪酸が多く、逆にラード食群では、これら組織中のパルミチン酸等の長鎖飽和・不飽和脂肪酸が多かった。体重1gあたりの握力を目的変数に、ヒラメ筋のラウリン酸量とパルミチン酸量を説明変数にした重回帰分析で、握力はラウリン酸量と正に相関する傾向を示し(β=0.31, p=0.12)、パルミチン酸量と負に相関した(β=-0.64, p=0.005)。 小腸のmRNA-seqではラード群と比較し、CO群においてグルコーストランスポーターであるSlc2a2やSlc5a1の発現がラード群と比較し低下していた。CUT&tag法により小腸上皮細胞のヒストン修飾を調べた。ラード群と比較し、CO群では転写の活性化を示すヒストン H3K23 のアセチル化やK9のアセチル化はSlc2a2やSlc5a1のようなグルコーストランスポーターの遺伝子領域で低下していた一方で、転写抑制を示すHeK27のトリメチル化は上昇していた。以上の結果からCO群の耐糖能障害の改善の一因として小腸上皮細胞のエピゲノム変化による糖吸収の減少が寄与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請では中鎖脂肪酸による筋タンパク質合成関連遺伝子のエピジェネティック制御を明らかにし、フレイルに対する栄養学的な対策の有用性を新たに提案することを目的に以下の2つの研究計画を進めた。 研究計画1高脂肪食誘導フレイルモデルにおける骨格筋リピドームとヒストンアセチル化の解明 研究計画2細胞株を用いた中鎖脂肪酸によるヒストンアセチル化の確認 昨年度までに研究計画1はほぼ完遂できており、本年度の計画において、研究計画2の細胞株を用いた中鎖脂肪酸によるヒストンアセチル化の確認を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、第二年度として、(1)高脂肪食誘導フレイルモデルにおける骨格筋リピドームとヒストンアセチル化の解明 においてメタボローム・リピドーム解析を実施する。 (2) 細胞株を用いた中鎖脂肪酸によるヒストンアセチル化の確認では細胞株を用いた中鎖脂肪酸によるヒストンアセチル化の確認を実施し、先行研究で確認した中鎖脂肪酸(カプリン酸・ラウリン酸)をC2C12細胞に10μMの濃度で投与し、遺伝子発現を評価する。
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