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NASHの肝線維化過程における血小板型12-リポキシゲナーゼの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K10921
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関岡山県立大学

研究代表者

高橋 吉孝  岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (10236333)

研究分担者 戸田 圭祐  岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (80881630)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード血小板型12-リポキシゲナーゼ / 肝星細胞 / リポキシゲナーゼ
研究開始時の研究の概要

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、単純性脂肪肝に酸化ストレスなどが加わって発症すると考えられている慢性炎症性肝疾患であるが、その予後に大きく関わる線維化のメカニズムについては十分に解明されていない。申請者らは、マウス肝星細胞に局在する血小板型12-リポキシゲナーゼの発現レベルがNASHモデルで上昇し、本酵素がNASHの進行に伴う肝線維化を抑制することを見出した。本研究では線維化抑制に関わる血小板型12-リポキシゲナーゼ生成物を同定して、そのメカニズムを解明する。さらに、同定した生成物の効果をNASHモデルマウスを用いて調べ、NASHによる肝線維化の新規の予防法の開発につなげる。

研究実績の概要

NASHモデルマウスの病態の進行過程において、肝星細胞に局在しその発現レベルが上昇する血小板型12-リポキシゲナーゼが、NASHの進行に伴う肝線維化を抑制するメカニズムの解明を目指し、まず、血小板型12S-リポキシゲナーゼ以外のリポキシゲナーゼの関与なしにω3脂肪酸であるDHAから合成される炎症緩解脂質メディーエーターのmaresin 1を、野生型ヒト肝星細胞株TWNT-1に添加し、Ⅰ型コラーゲン遺伝子の発現抑制に関わるかどうかを調べたところ、リアルタイムPCRでCOL1A1とCOL1A2いずれの発現レベルにも有意な変化を認めなかった。そこで、ヒト血小板型12S-リポキシゲナーゼ過剰発現TWMT-1細胞に、アラキドン酸あるいはDHAを添加して得られた培養上清を、野生型ヒト肝星細胞株TWNT-1に添加して調べたところ、やはりCOL1A1とCOL1A2いずれの発現レベルにも有意な変化を認めなかった。
リポキシゲナーゼ生成物の中には不安定で半減期の極めて短いものも多いため、生成された有効な物質が培養上清中で分解してしまった可能性が否定できない。そこで、物質を透過する膜上にヒト血小板型12S-リポキシゲナーゼ過剰発現TWMT-1細胞を培養し、これを、ウェル内で培養した野生型ヒト肝星細胞株TWNT-1上に置いて同時培養を行い、膜上の細胞に脂肪酸を添加する系(トランスウェル)を構築した。膜状の培養液中で生成された12-ヒドロペルオキシ酸や14-ヒドロペルオキシ酸は、膜を通過して自由にウェル上の野生型ヒト肝星細胞株TWNT-1に作用することが確認できた。現在、この形を用いて、どの脂肪酸の添加がウェル上で培養した野生型ヒト肝星細胞株TWNT-1のコラーゲン遺伝子の発現レベルを変化させるか、検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

血小板型12S-リポキシゲナーゼのどの生成物が、肝星細胞のコラーゲン遺伝子の発現レベルを変化させるかの細胞レベルでの検討について、計画通りに進んでいるため。動物実験まで進めることができていないが。概ね想定内である。

今後の研究の推進方策

本年度構築したトランスウェルを用いて、どの脂肪酸生成物が野生型ヒト肝星細胞株TWNT-1のコラーゲン遺伝子の発現レベル抑制に関わるかをまず決定し、該当する脂肪酸の生成物の網羅的分析を行って、活性のある生成物の同定を進めるとともに、動物実験でその効果を確認する実験へと進める。さらに、血小板型12S-リポキシゲナーゼの過剰発現によって発現レベルが上昇、あるいは低下する遺伝子の中で、コラーゲン遺伝子の抑制に関わる遺伝子の探索についても、血小板型12S-リポキシゲナーゼ過剰発現細胞を用いた網羅的解析を進めるとともに、血小板型12S-リポキシゲナーゼノックアウトマウスを用いて作成したNASHモデルマウスを用いて進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Malabaricone C derived from nutmeg inhibits arachidonate 5-lipoxygenase activity ameliorating murine psoriasis-like skin inflammation and OVA-induced allergic airway inflammation2023

    • 著者名/発表者名
      Toshiko Suzuki-Yamamoto, Izumi Tsukayama, Yuki Kawakami, Asako Tamenobu, Keisuke Toda, Saya Maruoka, Hideyuki Ito, Yoshitaka Takahashi, Yoshimi Miki, Makoto Murakami
    • 学会等名
      ICBL 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 血小板型12S-リポキシゲナーゼの肝線維化に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      戸田 圭祐、岡本 知子、津嘉山 泉、川上 祐生、山本 登志子、高橋 吉孝
    • 学会等名
      第14回 川崎医科大学学術集会(岡山)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ナツメグ含有成分malabaricone Cによる5-リポキシゲナーゼ活性阻害と気管支喘息改善効果2023

    • 著者名/発表者名
      川上祐生、津嘉山泉、戸田圭祐、伊東秀之、高橋吉孝、山本登志子
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会(福岡)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ナツメグ由来malabaricone Cによる5-リポキシゲナーゼ活性阻害と乾癬改善効果2023

    • 著者名/発表者名
      津嘉山泉、川上祐生、為延麻子、戸田圭祐、丸岡紗也、長崎祐樹、高橋吉孝、三木寿美、村上誠、山本登志子
    • 学会等名
      第65回 日本脂質生化学会(熊本)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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