研究課題/領域番号 |
23K10924
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
宇田川 陽秀 文教大学, 健康栄養学部, 特任講師 (50533882)
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研究分担者 |
中島 滋 文教大学, 健康栄養学部, 教授 (90149782)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | GATA5 / 内蔵脂肪組織 / セレノプロテイン / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
セレンは、生体内において抗酸化能を発揮するために必須の微量元素であることが知られ、栄養学的に大変重要な成分の一つである。申請者はこれまでにヒトおよびマウス内臓脂肪組織で優位に発現する転写因子Gata5が抗酸化分子の発現を調節していることを明らかにした。またGata5ノックアウトマウスの精巣上体脂肪では特徴的なセレノプロテインの発現が顕著に変動することも発見した。そこで本研究では、Gata5遺伝子欠損マウスおよび脂肪細胞株を用いた解析から、酸化ストレス調節因子としてセレノプロテインの機能的意義を検討し、肥満症の発症メカニズムの解明を行うことで、酸化ストレスおよび肥満予防法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
セレンは過剰に摂取すると毒性を示す一方で、生体内において抗酸化能を発揮するために必須の微量元素であることが知られ、栄養学的に大変重要な成分の一つである。我々はこれまでにヒトおよびマウス内臓脂肪組織で優位に発現する転写因子Gata5は、脂肪細胞の抗酸化能を増強させること、Gata5ノックアウトマウスの精巣上体脂肪で特徴的なセレノプロテインの発現が減少すること、を明らかにした。そこで、皮下脂肪に比して内臓脂肪で発現が高いGata5は、内臓脂肪特異的なセレノプロテインV(Selv)の発現を調節し、酸化ストレスに対する防御機構を調節しているのではないかという仮説を立てた。本研究では、Gata5遺伝子欠損マウスおよび細胞株を用いた解析から、酸化ストレス調節因子としてセレノプロテインの機能的意義を検討し、肥満症の発症メカニズムの解明を行うと共に、栄養学的な視点から酸化ストレスおよび肥満予防法の開発を行うことを目的とした。 今年度は、通常食または高脂肪食負荷したマウスにおける各種脂肪組織におけるSelVの発現確認を行った。さらに、マウスSelV遺伝子をクローニングし、pTRE-3G mSelvプラスミドを作製した。次に、pEF1α-pTet-On 3Gを導入した3T3-L1とC3H10T1/2細胞株に、エレクトロポーレーションを用いて、pTRE-3G mSelv プラスミドを導入した。薬剤セレクション後、シングルセルクローニングを行い、6クローンずつの細胞株を得た。今後、ドキシサイクリン刺激によってmSelv過剰発現量が高く、かつ脂肪細胞への分化効率の高いクローンの選定を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、Gata5KOマウスの搬入に時間がかかりin vivoでの研究が進められなかった。また、mSelv過剰発現細胞株のクローニングにも想定より時間を要した為、機能解析の実験まで進められなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、Gata5KOマウスの繁殖を行うと共に、高脂肪食負荷による各種脂肪組織のSelv発現量の変化を分析する。さらにSelv過剰発現脂肪細胞株の実験を加速させ、SelV発現依存的な抗酸化能の測定を行う。また、Gata5の標的遺伝子候補として同定されたSelVの発現について、プロモーターにおけるGata5モチーフのin silico探索、SelVプロモーターのLucアッセイ系の構築、さらにはGata5抗体によるChIPアッセイをおこない、Gata5によるSelv遺伝子の発現調節メカニズムを明らかにする。
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