研究課題/領域番号 |
23K10925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏和 和洋女子大学, 家政学部, 教授 (70270527)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ビタミンD / 心身的健康 / 遺伝子一塩基多型 / ビタミンD結合タンパク質 / 個人差 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、ビタミンD (VD)の不足とうつ病の発症や心身的健康レベルの低下の関連が示されている。本研究では、VDの体内充足の程度と心身的健康レベル、ならびにVD代謝の個人差やVD作用と関連のある10個の遺伝子一塩基多型 (SNP) の関連について明らかにする。またVDサプリメントによる心身的健康レベルの改善効果とSNPとの関連について明らかにする。さらに、開発中の体内VDの充足状態を簡易的に予測するスマートフォンアプリが、VDの充足と心身的健康レベル状態の維持に貢献できることを実証する。
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研究実績の概要 |
18~22歳の女性を対象に、「ビタミンDサプリメント摂取の心身的健康状態改善効果およびその個人差の検討」という名のビタミンD摂取試験を行った。介入前の試験は、2023年12月に実施し、2024年1月より3か月間、1日当たり25μg (1000U)のビタミンDサプリメントを参加者に摂取してもらった。介入前の参加者は合計122名であった。参加者には、採血による血清中25ヒドロキシビタミンD [25(OH)D]値測定、食事頻度調査、11~12月の日光照射時間からVDの体内合成量を見積もるための生活調査、4種類の心身的な健康状態アンケート調査を実施した。また、血液サンプルよりゲノムDNAを調製し、今年度はビタミンD結合タンパク質をコードするGC遺伝子上にあるrs7041とrs4588の2種類の遺伝子一塩基多型(SNP型)を決定した。食事調査から見積もったVDの平均摂取量は、3.7μgであり、目安量の半分を下回っていた。生活調査による体内でのVD合成見積量と食事調査から見積もった平均摂取量を合わせても、必要とされている15μg/日を達成している者は全体の2.5%であった。平均血清25(OH)D濃度は13.5ng/mLであり、血液検査を指標としたVDの充足状況は92.6%が欠乏状態と判定された。心身的な健康状態を評価するアンケートスコアの平均値は、BDI-II 9.5, STAI-X 47.8, PSS 20.4, Ho 20.1であった。SNP型rs7041はGG3%、GT44%、TT53%、rs4588はCC53%、CA39%、AA7%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由は次の2つである。 ①VDサプリメント摂取介入試験の実施は、日照時間の少なくなる冬季の実施を計画していたが、ほぼ当初の予定通り、12月中旬に介入前の試験を実施できた。また、100名以上の参加者を確保することができた。参加者の1月~3月のサプリメント摂取状況も良好で、90%以上の参加者がサプリメント摂取を継続できていることを確認できた。 ②DNAサンプルの調製および一部のSNPについて解析が完了した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度の推進方策は次のとおりである。 ①ビタミンDサプリメント摂取介入後の採血、心身的な健康状態アンケート調査、VDの体内合成を見積もるための生活調査を実施し、それぞれサプリメント介入前後の比較を行う。 ②RS4588, RS7041以外のGC遺伝子上のSNP、ビタミンD受容体遺伝子、25-ヒドロキシラーゼをコードするCYP2R1遺伝子、1α-ヒドロキシラーゼをコードするCYP27B1遺伝子上のSNPを調査する。血清中25(OH)Dレベルの改善効果、心身的な健康状態スコア改善効果とSNPとの関連を昨年度に調査した2SNPも含めて調査する。 ③VD摂取量チェックアプリの基礎となるデータをとるため、食事記録法からVD摂取量を見積もる。また、アプリで使用する食事アドバイスにより、どの程度摂取量が改善するかについても検討を行う。 ④研究参加人数を増やすために、昨年度とほぼ同時期(12月~4月)に同じ介入試験を実施する。
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