研究課題/領域番号 |
23K10932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
西尾 尚美 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80513457)
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研究分担者 |
磯部 健一 修文大学, 医療科学部, 教授 (20151441)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | GADD34 / MEF細胞 / インスリンシグナル伝達系 / 細胞老化 / 老化 / シグナル伝達系 / 代謝系 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究で、老化や老化関連疾患との関連が明らかになってきたIGF-1/insulinシグナル伝達系、G-CSFレセプターからのシグナル伝達系、TGF-βシグナル伝達系といった3つのシグナル伝達系に加えて糖や脂質代謝系をGADD34という一つの蛋白質が制御する可能性が示唆されてきた。 そこで本研究では、細胞レベル、個体レベルともに老化促進が見られ、最終的には老化関連疾患を発症するGADD34 KOマウスを用いて、GADD34が様々な代謝系やシグナル伝達系を制御するメカニズムを検索し、細胞老化や個体老化を一元的に制御する可能性とそのメカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
これまでのGADD34に関する研究では、主に、GADD34 KOとWTマウスを用いてin vivoでGADD34欠損による機能低下や疾患発症の増加を確認し、GADD34が個体老化や老化関連疾患において抑制的な役割を果たしていることを確認してきた。本年度は、特にin vitroで細胞老化や細胞増殖におけるGADD34の役割を解明することを目的として、培養細胞でのGADD34の役割を検証した。 本研究の初年度に当たる本年は、GADD34 KOとWTマウスよりMEF細胞を作成し、passageの回数による増殖やシグナル伝達系の検討を行った。GADD34 KO MEFはWTに比べて増殖スピードが速いが、passage 5~6をピークにWTよりも増殖スピードが低下することが明らかとなった。このことはこれまでの研究で、GADD34 KOマウスでは若い頃亢進するインスリンシグナルが加齢に伴ってWTより低下して逆転する現象と類似している。さらにこの時の、インスリン刺激によるシグナル伝達系もpassage 5~6まではGADD34 KO MEF細胞で亢進しており、その後インスリン抵抗性を示した。また、passage が多いGADD34 KO細胞では、過酸化水素水添加によって細胞老化の指標となるSaβGALに染まる細胞数が増えており、細胞老化が促進していたことが示唆される。これらのことから、MEF細胞の培養系を用いることで、in vivoにおける機能低下や疾患発症を分子レベルで解明できる可能性が示唆された。 さらに、本年は細胞への遺伝子移入のシステムを構築するための予備的な実験を行い、次年度からはさらに詳細な解析を行う準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまでは、今まで作成したMEF細胞を使用していたが、本研究を始めるにあたり、新たにMEF細胞を作成することとした。しかし、埼玉大学でのMEF細胞の作成は初めてで、MEF細胞の作成及び培養システムの立ち上げに予定より時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
GADD34 KO及びWTマウスから作成したMEF細胞の各passage段階での細胞を用いて、インスリン刺激をはじめ、様々な刺激における代謝の変化を解析する。さらにGADD34遺伝子移入したHEK293細胞やHEPG2細胞を用いて、GADD34の過剰発現における細胞代謝を解析する。しかし、がん細胞と正常細胞では代謝が大きく異なる。従って、正常培養細胞へのGADD34遺伝子移入による過剰発現を目指し、解析したいと考えている。
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