研究課題/領域番号 |
23K10951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 別府大学短期大学部 |
研究代表者 |
藤岡 竜太 別府大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60759512)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 本態性振戦 / 神経分化 / 興奮性アミノ酸 / アスパラギン酸 / グルタミン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
本態性振戦(原因不明のふるえ)の発症機序にグルタミン酸、アスパラギン酸などの興奮性アミノ酸が関与しているか、その一端を解明するために本研究を実施する。先行研究により、本態性振戦患者では血中の興奮性アミノ酸が有意に高いことが分かったため、動物細胞に興奮性アミノ酸を暴露する細胞実験、興奮性アミノ酸を摂取させたマウスの行動解析による動物実験を実施し、本態性振戦の発症機序に興奮性アミノ酸がどのように関連しているのか明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
興奮性アミノ酸が本態性振戦の発症機序にどのように寄与しているのか、そのメカニズムを探る目的で以下4つのアプローチにより研究を計画し、実施している。 1点目のPC12細胞、LUHMES細胞に興奮性アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)を暴露した神経突起伸長の解析については、食品添加物用の興奮性アミノ酸を暴露したPC12細胞をまず使用して、細胞毒性、神経突起伸長および形状の解析を進めている。細胞毒性の評価から解析に適切な条件を検討し、ほぼ確立できている。また、PC12細胞を使用した神経成長因子暴露後の細胞培養条件の確立も視野に、現在条件検討している。これらPC12細胞の培養条件を踏まえた上で、LUHMES細胞の細胞培養に今後入る予定であり、試薬の準備までは整えることができている。 2点目のPC12細胞、LUHMES細胞による共培養とドーパミン産生能の評価については、水平型共培養装置を使用し、PC12細胞およびLUHMES細胞とは別の動物細胞による共培養を行い、実験系の構築を図っている。実験系の構築後、LUHMES細胞による実施を計画している。 3点目の神経突起伸長の簡便な画像比較イメージングの開発については、タイプラプスによる動画、画像をもとにImageJを使用して経時的な神経突起伸長の簡便な検出方法を検討中である。 4点目の動物実験による本態性振戦の再現については、次年度より、食品添加物用の興奮性アミノ酸の飲水摂取をマウスに実施し、オープンフィールドテストによる行動解析から表現型の評価をする予定で現在、動物実験の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
4つのアプローチの現在までの進捗状況は以下である。 1点目のPC12細胞、LUHMES細胞に興奮性アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)を暴露した神経突起伸長の解析については当初予定していた、PC12細胞による細胞毒性、神経突起伸長の解析までは進めることができたが、LUHMES細胞による実験は、細胞培養環境が整わなかったこともあり、実施することができなかった。次年度よりLUHMES細胞の細胞培養を始めていく予定で考えている。そのため研究が遅れている状況である。 2点目のPC12細胞、LUHMES細胞による共培養とドーパミン産生能の評価については、PC12細胞およびLUHMES細胞以外の動物細胞で条件検討しているところで、興奮性アミノ酸の濃度検討に時間を要していることや、水に溶けにくく食品添加物用の興奮性アミノ酸へ変更したこともあり、当初予定していたPC12細胞とLUHMES細胞の共培養まで実施できなかった。そのため研究が遅れている状況である。 3点目の神経突起伸長の簡便な画像比較イメージングの開発について神経突起の測定方法を経時的に解析し、PC12細胞の神経突起伸長をタイムラプスによる画像処理するところまでは一旦終了できたが、その後進展できていないため、当初の予定の画像比較まではできていないので文献調査も含め引き続き実施していく。そのため、研究がやや遅れている状況である。 4点目の動物実験による本態性振戦の再現については、当初より、次年度からの実施を計画していたため、今後、マウスに興奮性アミノ酸を摂取後、オープンフィールドなどの行動解析を準備していく予定である。 これら4点を踏まえた上で研究計画に従って実施ができていないため「遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
4つのアプローチについて、今後の研究の推進方策は以下である。 1点目のPC12細胞、LUHMES細胞に興奮性アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)を暴露した神経突起伸長の解析については、食品添加物用の興奮性アミノ酸を暴露したPC12細胞の細胞毒性、神経突起伸長の解析と並行して、LUHMES細胞の細胞培養を進めていく予定である。次年度の前半にはLUHMES細胞の培養条件を整えていき、興奮性アミノ酸の暴露実験ができるように準備を進めていく。 2点目のPC12細胞、LUHMES細胞による共培養とドーパミン産生能の評価については、LUHMES細胞の細胞培養を開始し、PC12細胞との共培養により、LUHMES細胞関連のドーパミンがどのようにPC12細胞に影響があるのかその相互作用を検討していく予定である。 3点目の神経突起伸長の簡便な画像比較イメージングの開発については、実際にImageJのツールを使用した神経突起の経時的な変化を検出し、神経突起の測定を簡便にできるように画像比較イメージングの検討を進めていく予定である。 4点目の動物実験による本態性振戦の再現については、次年度より開始できるように実験計画を準備し、最初に食品添加物用の興奮性アミノ酸を飲水摂取させたマウスの行動解析をオープンフィールドテストなどで運動量および振戦の有無などの解析を実施し、コントロールのマウスとの比較検討を行っていく予定である。
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