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サルコペニアにおける小胞体プロテオスタシスの意義の解明と創薬標的としての評価

研究課題

研究課題/領域番号 23K10963
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関大阪公立大学

研究代表者

高杉 征樹  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30711965)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード老化 / サルコペニア
研究開始時の研究の概要

我々はUPRマスターレギュレーターであるATF6、並びにPERKを薬剤投与により選択的に活性化させる事でマウスのサルコペニアを抑制し、健康長寿を促進できる可能性を見出している。本研究ではUPRの活性化がサルコペニアに及ぼす作用を多面的に評価し、その作用の背景にある分子機構を明確にしていく。さらにATF6やPERKを選択的に活性化させる化合物の更なるスクリーニングを行い、サルコペニア治療薬の開発へ向けた基盤を築く事を目指していく

研究実績の概要

本年度は寿命制御における小胞体プロテオスタシス制御機構の役割を、Unfolded Protein Response(UPR)のマスターレギュレーターの一つであるATF6に着目し、その制御系の一部がハダカデバネズミなどのような長寿の哺乳動物で活性が高い事を切り口として研究を進め、比較生物学的な観点から小胞体プロテオスタシスの維持が長寿に寄与する可能性を示し、Cell Reportsに報告することができた(Takasugi et al., Cell Rep, 2023, 42(9):113130)。本研究を通じ、長寿動物ほど発現の高い傾向にあるCD44がそのリガンドであるヒアルロン酸非依存的に、小胞体膜の性質を変化させる事でnon-canonical pathwayを通じ、小胞体ストレスを伴わない形でATF6を活性化させ、プロテオスタシスを向上させる事が示された。ATF6を含むUPRマスターレギュレーターが具体的にどのようにして老化、特にサルコペニアに影響を及ぼしているのかを解明する事は次年度以降の課題と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的である「UPRへの介入を通じた老化・プロテオスタシスの制御」の実現に向け、これを支持する結果を比較生物学的なアプローチから得る事ができ、初年度から論文として発表をする事ができた(Takasugi et al., Cell Rep, 2023, 42(9):113130)。実際に老齢マウスのUPR制御機構に対し、薬剤やアデノ随伴ウイルス投与により介入を行い、筋力低下が改善されるかについても並行して研究を進めつつある。以上のことから研究は順調に進展しているものと考えられる。

今後の研究の推進方策

これまで、老齢マウスに対し、UPRマスターレギュレーターの一つであるPERKに対するアクティベーターとして作用する小分子であるMK28を投与する事により運動機能の改善が認められる事を見出してきている。一方で最近我々のトランスクリプトームならびにプロテオーム解析から老齢マウスの骨格筋ではPERKやATF6の活性には変化がなく、別のUPRマスターレギュレーターであるXBP1の活性が増加している事が示された。また、MK28はPERK以外にもmTORパスウェイなどにも影響を及ぼしている可能性がリン酸化プロテオミクスの結果から示唆され、MK28による有益な効果が必ずしもUPR制御系を介していない可能性が考えられた。そこで、このXBP1活性の増加が筋力の低下と関係しているかを調べるため、筋特異的プロモーター(MHCK7プロモーター)下流でXBP1を過剰発現させる事が可能なアデノ随伴ウイルスベクターを中齢マウスに投与した。このような遺伝子導入による介入法は、小分子を用いる方法に比べ副作用が少ない事が期待される。今後、当該マウスの運動機能を経時的に評価し、XBP1レベルに対する介入がマウスの運動機能に及ぼす影響を明らかにしていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] CD44 correlates with longevity and enhances basal ATF6 activity and ER stress resistance2023

    • 著者名/発表者名
      Takasugi Masaki、Ohtani Naoko、Takemura Kazuaki、Emmrich Stephan、Zakusilo Frances T.、Yoshida Yuya、Kutsukake Nobuyuki、Mariani John N.、Windrem Martha S.、Chandler-Militello Devin、Goldman Steven A.、Satoh Junko、Ito Shinji、Seluanov Andrei、Gorbunova Vera
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 42 号: 9 ページ: 113130-113130

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2023.113130

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] The multifaceted roles of hyaluronan and its receptor CD44 in lifespan regulation.2024

    • 著者名/発表者名
      Takasugi, M., Ohtani, N., Takemura, K., Emmrich, S., Firsanov, D., Tombline, G., Zakusilo, F.T., Kutsukake, N., Mariani, J.N., Windrem, M.S., Chandler-Militello, D., Goldman, S.A., Satoh, J., Ito, S., Ning, H., Ablaeva, J., Seluanov, A., Gorbunova, V
    • 学会等名
      A3 Foresight program, Cellular Senescence: from pathophysiology to treatment, Osaka
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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