研究課題
基盤研究(C)
高尿酸血症の治療目的は痛風発作や腎障害の予防を目的として治療されているに過ぎない。そのような中、従来の高尿酸血症に加えて、XORに特異的に作用する薬剤やURAT1選択的阻害剤が臨床応用されるようになってきており、新たなメカニズムに沿った 薬剤の使い分けが可能な状況となっている。そこで本研究では、なぜ、インスリン抵抗性の患者に高尿酸血症が多いのか、そのメカニズムを改めて解析することにより、高尿酸血症の治療によりインスリン抵抗性が改善する可能性を追求する。
高尿酸血症とインスリン抵抗性は正の相関を示すことが知られているが、その因果関係は不明点が多く一定の見解は得られていない。尿酸はXOR(キサンチンオキシドレダクターゼ)に触媒・生成される。近年、脂肪組織で尿酸産生に必須な酵素であるXORが発現し、インスリン抵抗性を有する不健康な組織増大(Unhealthy Expansion)を示す脂肪組織で尿酸産生が亢進することが報告された。そこで本研究では、インスリン抵抗性の患者に高尿酸血症が多いのか、そのメカニズムを改めて解析することにより、高尿酸血症の治療によりインスリン抵抗性が改善する可能性を追求することを目的とする。まず、高尿酸血症の治療としてXOR阻害薬とURAT1阻害薬が投与されているの外来患者の背景と耐糖能を解析することにより、高尿酸血症とインスリン抵抗性の関連を解析する。現在、データベースを構築し、解析中である。また、XOR阻害薬を投与したWistarラットの脂肪細胞と肝臓におけるインスリン感受性に関与する因子に関して解析中である。
3: やや遅れている
XOR阻害薬とURAT1阻害薬を投与している患者のデータベース構築に予想以上の時間を要したため、インスリン感受性との関連因子の発見までには至っていない。
以下の2つについて、研究を遂行する。1.臨床データにおいて高尿酸血症治療薬によるインスリン感受性との関連と関連因子を解明する。2.脂肪組織において高尿酸血症治療薬によるインスリン感受性との関連と関連因子を解明する。
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