研究課題/領域番号 |
23K10973
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
坪井 一人 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80346642)
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研究分担者 |
竹之内 康広 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30582233)
北風 圭介 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80840545)
田中 保 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (90258301)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 脂質メディエーター / セラミダーゼ / N-アシルエタノールアミン / リソソーム酵素 / 加水分解酵素 / 食欲 / 肥満 / 脂質 / 生活習慣病 / 酵素 / 蛍光 |
研究開始時の研究の概要 |
N-アシルエタノールアミンは食欲抑制・脂肪分解などの作用により生活習慣病の原因である肥満を抑制する脂質化合物であるが、その代謝機構には不明な点が多い。本研究では、脂肪酸アミド加水分解酵素、N-アシルエタノールアミン酸性アミダーゼ、酸性セラミダーゼの3種類のN-アシルエタノールアミン加水分解酵素のいずれが小腸で重要であるか、食物由来の脂肪酸により制御されているか、肥満を制御しているか、特異的蛍光プローブを作出して明らかにする。研究成果はこれらの酵素を標的とする新規抗肥満薬の創出に繋がるものである。
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研究実績の概要 |
小腸で生合成されるN-アシルエタノールアミンは食欲抑制・脂肪分解などの作用を示す内因性の脂質化合物(脂質メディエーター)であり、生活習慣病の主要な原因である肥満を抑制的に制御すると考えられている。しかしながら、その代謝機構には不明な点が多い。本研究課題では特異的蛍光プローブを基盤として、本脂質化合物の生体内における加水分解反応を担う酵素を同定して生理的役割の解明を行うことを目指している。 N-アシルエタノールアミンの加水分解に関わる3種類の酵素のうち、まず、リソソーム酵素であるN-アシルエタノールアミン酸性アミダーゼ(NAAA)および酸性セラミダーゼ(AC)に焦点を当て、活性ベースの蛍光プローブの開発に向けて蛍光基質の検討を行った。NAAAの蛍光基質としてPAMCAが報告されている。そこで、ACとNAAAを発現するヒト前立腺LNCaP細胞のホモジネートのPAMCA水解活性を検討したところ、本活性はNAAA阻害薬ARN077の存在下で、あるいはsiRNA法によるNAAAのノックダウンによりほとんど消失し、PAMCAのNAAAに対する特異性を確認した。 次に、ACの蛍光基質の候補としてPAMCAのアナログであるLAMCAを検討した。LNCaP細胞のホモジネートのLAMCA水解活性は、AC特異的阻害薬SOCLACとNAAA特異的阻害薬ARN077のいずれによっても減少した。また、ACおよびNAAAのいずれのノックダウンによっても抑制された。従って、LAMCAはACとNAAAの両酵素によって加水分解されると考えられた。しかしながら、ARN077存在下での活性測定によりAC活性を評価できる可能性があり、今後さらなる解析を行うとともに、さらなる構造改変体についても検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画のうち、項目「蛍光プローブの作出」について、PAMCAアナログであるLAMCAを検討中である。他の項目についても準備を進めており、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
項目「蛍光プローブの作出」について、研究計画に記載した蛍光基質の開発を重点的に実施したい。さらに、他の項目「小腸上皮様細胞株を用いた解析」と「小腸オルガノイドおよび動物を用いた解析」についても研究を進展させる予定である。
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