研究課題/領域番号 |
23K10982
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
岡本 吉央 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (00402660)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | アルゴリズム理論 / 離散数学 / 計算理論 / 計算幾何学 / グラフ理論 / 離散幾何学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は,幾何学的に構成されるグラフ (以下,幾何グラフ) に対する積構造定理を導出し,それを用いて,幾何グラフに対する効率的アルゴリズムを統一的手法によって設計することである.積構造定理はDujmovicらによって2020年に平面的グラフに対して証明されたもので,これによって平面的グラフに対する多くの未解決問題が解決された.その後,多くのグラフに対して同種の積構造定理が証明されたが,幾何グラフ一般に対して未解決である.幾何グラフはモバイル通信,地理情報システム,機械学習,CG等,多くの応用を持つため,積構造定理によって,これら応用分野における種々の問題が統一的に解決できるようになる.
|
研究実績の概要 |
幾何的に構成されたグラフについて,主に次の成果を得た. ・平面上に描かれた曲線の族を遷移させる問題とそのグラフ版に対して,アルゴリズム理論および計算理論に基づく観点から研究を行った.特に,グラフに対して遷移可能性を判定する問題がPSPACE完全,つまり,効率よく解くことが難しそうであることを証明した.また,グラフが球面上に辺交差なく描け,さらに,曲線の族の端点が2つの面の境界に制限されるときには,遷移可能性を判定する問題が多項式時間アルゴリズムで解けることを証明した.この成果を査読付き国際会議ICALP 2023で発表した. ・2次元球面の三角形分割における彩色を遷移させる問題に対して,アルゴリズム理論および計算理論に基づく観点から研究を行った,特に,Fiskによる2球面の3彩色可能三角形分割の4彩色がケンペ変換という規則によって遷移可能であるという結果を,ケンペ変換ではなく単変換という特殊なケンペ変換に制限したとき,4彩色が3彩色から遷移可能であるための必要十分条件を与え,その判定が線形時間で可能であることを証明した.また,その一般化として,5彩色同士がそのような変換で遷移できることを判定する問題がPSPACE完全,つまり,効率よく解くことが難しそうであることを証明した.この成果を査読付き国際会議SoCG 2023で発表した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
幾何学的に構成されたグラフに対する結果を定評のある査読付き国際会議で発表することができた.また,それに続く結果も得ており,成果発表の準備をしているところである.
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画にあるとおり,幾何学的に構成されたグラフに対する研究を推進していく予定である.そのために,国内外の研究者の協力も仰ぐ予定である.
|