研究課題/領域番号 |
23K10989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
廣友 雅徳 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (00529795)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 秘密計算 / 符号ベース暗号 / 準同型暗号 / 耐量子性 / 符号ベース秘密計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,量子コンピュータを用いた解読攻撃に耐性(耐量子性)を持つ符号ベース秘密計算プロトコルを開発する.秘密計算は,データを暗号化し情報を秘匿したまま計算するセキュリティ技術であり,データに含まれる個人情報などを保護したままデータ連携や統計処理を可能にする.本研究では,符号理論の符号化・復号処理が低計算量であることを利用し,高速かつ軽量な秘密計算プロトコルを実現する.これを達成するために次の研究に取り組む.(i)耐量子性を持つ符号ベース準同型暗号の開発,(ii)耐量子性を持つ符号ベース秘密計算プロトコルの開発,(iii)符号ベース秘密計算ライブラリの開発.
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研究実績の概要 |
本研究では,量子コンピュータを用いた解読攻撃に耐性(耐量子性)を持つ符号ベース秘密計算プロトコルを開発する.秘密計算は,データを暗号化し情報を秘匿したまま計算するセキュリティ技術であり,データに含まれる個人情報などを保護したままデータ連携や統計処理を可能にする.秘密計算では,データをそのまま演算処理するよりも計算量が大きくなることが課題となる.本研究では,符号理論の符号化・復号処理が低計算量であることを利用し,高速かつ軽量な秘密計算プロトコルを実現する. 2023年度は,秘密計算への応用を目的に,符号ベースの準同型暗号の開発を行った.準同型暗号は,データを暗号化したまま暗号文の加算,乗算が可能できる暗号である.本研究では,符号理論において,符号語の加算,乗算を行っても復号によって符号化前のデータの和,積が得られる符号クラスに着目し,その特徴を利用して符号ベースの準同型暗号を開発した.さらに,符号ベースの準同型暗号の安全性評価と,セキュリティ強度評価を行い,実用するために必要となるセキュリティ強度を満たす暗号のパラメータの選定を現在行っている. また,現在盛んに研究がされている格子ベースの準同型暗号や,いくつか提案されている符号ベース準同型暗号について調査し,その特徴や,準同型性を可能にする性質,長所と欠点を確認した.これらの調査結果は,提案する符号ベース準同型暗号に必要とされる性質を今後検討していく上で有用になる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定している研究である,符号ベース準同型暗号の開発ができた.その暗号の準同型性は秘密計算プロトコルに応用可能である.
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今後の研究の推進方策 |
開発した符号ベース準同型暗号の安全性評価と安全性証明を行う. また,開発した符号ベース準同型暗号のセキュリティ強度を評価し,実用するために必要となるセキュリティ強度を満たす暗号のパラメータの選定を行う. さらに,符号ベース準同型暗号をもとに,秘密計算プロトコルの開発を行う.
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