研究課題/領域番号 |
23K11010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高橋 将宜 長崎大学, 情報データ科学部, 准教授 (50781861)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 統計的因果推論 / 多重代入法 / 欠測データ |
研究開始時の研究の概要 |
統計的因果推論は,欠測データの問題といわれる.しかし,因果推論と欠測データの統計解析は別々の目的,設定,手法を持って発展してきたため,これまで出版されてきた統計的因果推論に関する書籍や論文の多くでは,欠測データの処理方法である多重代入法は統計的因果推論の手法とみなされてこなかった.本研究は,潜在的結果変数を欠測データとみなすことで,欠測データの処理方法である多重代入法を用いて,従来の統計的因果推論手法よりもフレキシブルで優れた平均因果効果の推定方法を明らかにする.また,関連した研究として,諸々の統計的因果推論手法における欠測値の処理に際して,多重代入法の適切な適用方法も検証する.
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研究実績の概要 |
研究実施計画で述べたとおり,多重代入法を用いた統計的因果推論の研究に関して,シミュレーションを実施して,その成果を学会で報告した. 特に,2023年経済統計学会第67回全国研究大会では,交絡因子と中間変数の要素が混在している説明変数について,一種の欠測データとみなす新たな考え方を導入して,多重代入法による解決策を提案した.統計数理研究所で実施された公的統計データを用いた機械学習やシミュレーションに基づく計量経済分析の新展開に関する小研究会では,トップコーディングされた公的統計匿名データを一種の欠測データとみなす新たな考え方を導入して,ベイジアン回帰モデルによる解決策を提案した. また,計量生物学会・応用統計学会と人工知能学会セミナーでは,統計的因果推論に関するチュートリアルセミナーを実施して,研究コミュニティとの連携を強化した. 厚生労働省における統計研修や株式会社情報機構および日本テクノセンターのセミナーを通じて,官民への統計的因果推論の普及にも貢献した.さらに,「新型コロナの緊急事態宣言の身体活動に与える因果効果に関する共同研究」を実施して,論文を出版した.「統計的因果推論における欠測値の扱いの研究」の検討も開始し,ベイズ統計モデリングや計量経済学などの関連研究も実施した. 研究実施計画で述べたとおり,「新型コロナの緊急事態宣言の身体活動に与える因果効果に関する共同研究」を実施して,IF付きの学術雑誌から論文を出版した.「統計的因果推論における欠測値の扱いの研究」の検討も開始し,ベイズ統計モデリングや計量経済学などの関連研究も実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は,サーバ・パソコン・ディスプレイなどの機器を購入して研究環境を整備した.それと並行して,多重代入法を用いた統計的因果推論の研究に関してシミュレーションを実施して,その成果を学会で報告しており,この成果をもとにして,次年度にはさらなる展開につなげていく予定である.初年度には,すでに1編の関連論文を出版しており,関連した4件の学会報告を実施した.よって,研究はおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した研究成果をもとに,2024年度には,研究実施計画で述べたとおり,多重代入法を用いた統計的因果推論の研究を実施する.得られた成果を学会で報告したり,研究論文として投稿したりする予定である.
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