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量子アニーリングを用いた集積回路の自動設計技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K11036
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分60040:計算機システム関連
研究機関会津大学

研究代表者

小平 行秀  会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (00549298)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード集積回路の設計自動化 / レイアウト設計 / マスク設計 / 量子アニーリング / イジングマシン / 集積回路設計 / 自動設計技術
研究開始時の研究の概要

本研究では,集積回路設計のレイアウト設計とマスク設計の工程において,2値の2次計画問題を高速に解く量子アニーリング計算機(Quantum Annealing, QA)を用いて,性能が良い設計を短時間で得る自動設計技術を開発する.現在利用可能なQAでは,QAの実現方法に応じて,求解可能な2値の2次計画問題の特徴が異なる.そのため,解く問題に適したQAを選択する方法と,使用するQAに適した2値の2次計画問題への定式化方法を検討することが必要である.本研究により,QAを活用する際の困難さを低減することで,QA分野の進展を図るとともに,QAにより集積回路の自動設計技術の進展に寄与することを目指す.

研究実績の概要

本研究では,集積回路設計の中の特にレイアウト設計とマスク設計の工程において,2値の2次計画問題を高速に解く量子アニーリング計算機やそれを古典コンピュータで模擬的に実現するイジングマシンを用いて,面積,消費電力,歩留まりなどの性能の良い設計を短時間で得る自動設計技術を開発することが目的である.
本年度は,マスク設計工程において,イジングマシンを用いたマスク最適化手法に取り組んだ.マスク最適化問題では,2次計画問題における2値変数の多さと,2値変数の値を決定する際に影響を及ぼしあう2値変数間の相互作用の多さから,量子アニーリング計算機よりGPUを用いたイジングマシンの方が適していると考察した.そこで,イジングマシンを用いて,マスク最適化問題を2値の2次計画問題に定式化し,イジングマシンを繰り返し適用することで,既存の手法よりウェハ上に形成されるパタン形状の忠実性が良く,プロセスばらつき耐性が高いマスク形状を得る手法を開発した.
また本年度は,量子アニーリング計算機やイジングマシンで用いられるペナルティ関数法において,適切なペナルティ重みを決定する手法を検討した.量子アニーリング計算機やイジングマシンでは,問題の制約を直接扱うことができない.そのため,制約を満たすときのみ最小値を取るペナルティ関数とペナルティ関数に対するペナルティ重みによって制約を目的関数に組み込むペナルティ関数法と呼ばれる手法が用いられる.このとき,ペナルティ重みを適切に与えなければ制約を満たす解が得られない.そこで,イジングマシンにおける最適化のループ回数や各制約の違反状況によってペナルティ重みを調整する手法を開発した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,イジングマシンを用いたマスク最適化手法に取り組んだ.マスク最適化は,集積回路設計における他の問題と同様,2値変数が多く,2値変数間の相互作用も多いという特徴がある.本年度の大規模な問題に対する取組結果は,今後扱う他の問題へ応用可能であると考えている.
また,本年度は,ペナルティ関数法において,適切なペナルティ重みを決定する手法を検討した.集積回路設計における多くの問題は制約が課されるため,ペナルティ関数法を適用する必要がある.本年度のペナルティ重みの決定方法に関する検討結果は,今後扱う他の問題へ応用可能であると考えている.

今後の研究の推進方策

本年度に検討した手法により,制約を含む大規模な問題に対して量子アニーリング計算機やイジングマシンを適用することが可能となった.今後は,当初の計画通りに集積回路設計に関連するより実用的な問題への適用を検討する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] イジングマシンにおける制約に対するぺナルティ重み自動調整手法2024

    • 著者名/発表者名
      中山晴貴,小平行秀
    • 学会等名
      電子情報通信学会VLD研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] A formulation of mask optimization into QUBO model for Ising machines2023

    • 著者名/発表者名
      Yukihide KOHIRA, Haruki NAKAYAMA, Naoki NONAKA, Tomomi MATSUI, Atsushi TAKAHASHI, Chikaaki KODAMA
    • 学会等名
      SPIE 12751, Photomask Technology 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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