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多要素協調型Approximate Computing実現に向けたHPCアプリケーション解析手法

研究課題

研究課題/領域番号 23K11056
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分60050:ソフトウェア関連
研究機関明星大学

研究代表者

和田 康孝  明星大学, 情報学部, 教授 (40434310)

研究分担者 小林 諒平  筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (40783709)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードApproximate Computing / 高性能計算 / 性能評価 / アプリケーション解析 / FPGA / コンパイラ
研究開始時の研究の概要

多様なHPCアプリケーションを対象にApproximate Computing(AC)を適用し性能を向上させるには,通信,アクセラレータ等様々な要素を互いに補い合う形で活用する,多要素協調型ACの実現が必要である.本研究課題では,実アプリケーションの性能評価データとコンパイラ技術に基づき,多要素協調型ACのためのアプリケーション解析技術と性能モデル化技術を実現する.さらに,FPGAによる多様な演算精度を用いた評価を取り入れ,モデルを高精度化するとともに,モデル生成を自動化する.この技術を基盤として活用することで,動的かつアプリケーション全体にわたる演算精度最適化が可能となる.

研究実績の概要

消費電力の制約等の問題から,近年ではコンピュータシステムの性能向上が徐々に難しくなりつつある.この限界を超えて高い性能を引き出す手法として,演算結果に多少の誤りが含まれることを許容しつつ,演算精度の低減を行うことで性能を向上させるApproximate Computing(AC)技術が注目を集めている.ACは,演算精度を調整することで,演算結果の正確さと性能,消費電力等のトレードオフを最適化するものである.しかし,いわゆるHPCアプリケーションは,その規模や特性から,ACの適用が困難である.HPCアプリケーションに対してACを適用するためには,通信,GPUやFPGAなどのアクセラレータ,プロセス配置など,様々な要素を相互に補い合う形で活用してACを適用する必要がある.本研究課題は,この多要素協調型のAC技術実現のために,アプリケーションの構造や特性を解析し,より正確かつ柔軟な演算精度と演算性能のモデル化を行う手法を実現することを目的としている.
2023年度においては,まず,収束演算を行う複数のベンチマークプログラムを対象として,プログラム実行時に動的に演算精度を変更することにより,実行性能および実行結果(演算結果)にどのような影響が現れるかについて評価を行った.特に,プログラムの初期段階では演算精度を下げて実行性能を向上させ,その後演算精度を上げて結果の正確性を担保するようなAC適用方法を想定した評価,評価結果の解析・検討を実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では,2023年度は,アプリケーションの解析およびコンパイラによる解析器の開発への着手を予定していた.
アプリケーションの解析においては,複数のベンチマークを対象として,実行途中に演算精度(データ型)を変更するように手動でプログラムの書き換えを実施し評価を行った.この部分については,ベクトル化の影響や,演算結果における誤差の推移等の観点から基礎的な評価データを得ることができたが,複数ノードを用いた評価やプロファイラの解析結果を用いた検討に時間を要した.
コンパイラによる解析器に関する取り組みについては,LLVMをベースとした開発を予定しているが,アプリケーションの評価・解析から得られる情報・知見を踏まえる必要があることや,FotranおよびC/C++への対応など,具体的な開発方針の検討に時間を要している.

今後の研究の推進方策

2023年度の取り組みにより,基礎的なアプリケーション評価手順はある程度確立することができたと考える.そのため,コンパイラによる解析器に関する研究開発と並行して,手動による評価データを用い,演算精度と実行性能の関係に関するモデル化の検討を行う.そこから得られる知見を解析器の開発やFPGAによる任意精度演算を対象とした評価作業ににフィードバックすることで,必要な機能や評価データを明確にすることができる.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 細粒度なApproximate Computing適用に向けた演算精度変更による影響の評価2023

    • 著者名/発表者名
      和田 康孝, 森江 義之, 小林 諒平, 坂本 龍一
    • 学会等名
      情報処理学会 第191回ハイパフォーマンスコンピューティング研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Preliminary Performance Evaluations toward Dynamic Approximate Computing for HPC Applications2023

    • 著者名/発表者名
      Yasutaka Wada, Yoshiyuki Morie, Ryohei Kobayashi, Ryuichi Sakamoto
    • 学会等名
      The International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage, and Analysis (SC23), Exhibition
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Toward Rank-level Approximate Computing for HPC Applications2023

    • 著者名/発表者名
      Yasutaka Wada
    • 学会等名
      The launch of the Association for Computing Machinery’s (ACM), Cairo professional Chapter
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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