研究課題/領域番号 |
23K11059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
角川 裕次 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (80253110)
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研究分担者 |
亀井 清華 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (90434977)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 理論計算機科学 / 分散アルゴリズム / 自己安定 / グラフアルゴリズム / 自己組織化 / 故障耐性 / 分散相互排除 / 分散グラフ問題 / 分散システム |
研究開始時の研究の概要 |
近年は,ドローン,UAV (無人航空機),自動運転車,環境発電型センサノードなどのデバイスを多数,無線通信により相互接続した分散システムが急速に広まりつつある.そのような分散システムにおいては,ネットワークトポロジの変化やデバイスの参加・離脱など,分散システムに動的な変化がしばしば発生する.本研究では、処理負荷の低減,故障耐性,動的なノードの参加離脱など、様々な観点を考慮した分散アルゴリズムの研究・開発を進めてゆく.
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研究実績の概要 |
本研究は,自己安定の概念を基礎におき大規模な分散システムを対象として,ネットワーク変動に対する高度な自律性と適応性を実現する分散アルゴリズムの基礎理論に関するものである.特に分散システム内のノードは対等で,集中制御を行う特別なノードが無く,ノード総数が極めて膨大である分散システムを主な研究の対象とする.特に本研究課題では分散システムにおける諸問題を,分散相互排除問題と分散グラフ最適化問題に対する一般化問題として抽象化し,分散アルゴリズムの設計を行うことで解決を目指す.例えば,自動運転車の交差点への進入の自律分散制御手法,環境発電型センサノードの協調間欠動作手法などを想定した分散アルゴリズムを設計する. 2023年度は主に,1-極大独立集合問題に対する自己安定分散アルゴリズムの開発に取り組んだ.1-極大独立配集合問題とは,準最適解である極大独立集合に対して局所的な改善を繰り返すことで得られる準最適解である.解が局所的な改善で得られる点は通信コストの大きい分散システムにおける分散アルゴリズムの形で実現する際に極めて有用である.この研究における成果は査読付きの国際会議で発表を行った. また予備実験として,1-極大独立集合と(通常の)極大独立集合のサイズ比較を,AllSAT ソルバを用いて条件に合致する集合の列挙することで行った.現時点では限られたグラフのクラスでの予備実験の段階であるが,集合サイズや解の個数などが実証的にわかりつつある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は1-極大独立集合問題に対して距離3通信モデルの下での自己安定分散アルゴリズムを開発した.アルゴリズムの設計と正当性の証明において距離3通信モデルを用いることは,見通しの良い設計と証明の構成で極めて有用であることが経験的に分かった.またこの結果は査読付きの国際会議で発表を行ったが,更に発展させた内容をいま論文誌に投稿をしており,順調に研究は進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はグラフ最適化を行う分散アルゴリズムの設計,特にアルゴリズムの設計と検証を容易にする通信モデルの下で行うとともに,その通信モデルの実装手法について研究をを行う.2025年度以降は様々な分散システム応用を想定した分散相互排除問題の研究に着手する予定である.
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