研究課題/領域番号 |
23K11082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
山本 嶺 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (90581538)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 仮想ネットワーク埋込 / 多数目的最適化 / 多基準意思決定 / ネットワーク仮想化 / ヘテロジニアス / SDN |
研究開始時の研究の概要 |
現実社会と仮想空間の有機的な融合を果たし,IoTやAI,ビッグデータ,ロボットなどの技術が生活に浸透した超スマート社会の構築を目指すSociety 5.0が注目されており,高い水準の遍在性や相互接続性,信頼性,効率が通信技術に求められている.そのため,様々な端末や通信メディアを含むヘテロジニアス環境を統合的に制御する必要があり,ネットワーク仮想化などによる柔軟な運用が必要である.本研究課題では,このような環境においてもネットワーク仮想化を活用し,効率的なネットワーク運用を可能とするため,仮想ネットワークの物理ネットワークへの割当と物理ネットワークにおける通信の効率化を基本とした検討を実施する.
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研究実績の概要 |
本年度の研究課題では,仮想ネットワーク埋込時の基盤ネットワーク割当問題であるVNE(Virtual Network Embedding)問題に対し,他目的最適化問題を適用し,解探索を実施する手法の提案を行った.提案手法では,ヘテロジニアス環境下において,多様なQoS要件を満たす仮想ネットワーク埋込を実現するため,通信媒体の特性を最適化問題に組み入れた多数目的最適化問題を定義し,多基準意思決定手法によって選好解を算出するアルゴリズムを用いる.そのため,まずはヘテロジニアス環境の定式化を行った.定式化では,ネットワークの各要素の特性を組み入れ制約条件を定義し,最適化時に必要となる目的関数を複数定義した.その後,多数目的最適化問題を解くことで埋込解を得るが,ここでは計算量の制約から厳密解を求めることは行わず,パレート解を算出することで,実用的な時間で解を得る方策を採った.なお,パレート解算出には,NSGA-IIIを用いた.提案手法では,複数の解を探索し,パレートフロントの算出を行うが,この際にRunning Metricと呼ばれる指標によって解の収束性判断を行う.パレートフロント算出後は,多基準意思決定手法を用いて最終的な解である選好解を算出するが,提案手法では,パレート解分布に非異存な選好解算出が可能なASF(Achievement Scalarization Function)を用いた. 提案手法による埋込解算出の妥当性を評価するため,コンピュータシミュレーションを用いて性能評価を実施した.評価結果から,埋込仮想ネットワーク数の増加に従って,QoS充足率が低下することが判明したが,これは埋込順序の最適化が必要であることを示唆している.また,環境変化時に既に埋め込まれている解を更新することも必要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度実施した内容は,研究計画にて定義した課題の一つである「ヘテロジニアス環境かでVNE問題を解くアルゴリズムの設計」に対する検討であり,今年度の成果によってその目的を達成することができている. また,対外発表については現時点で国内会議のみとなっているが,実験結果を基に若干のアルゴリズム修正や実験方法自体の修正が必要であることが判明したため,それらを修正した後,国際会議や論文誌への投稿を予定している.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究方針としては,残りの課題である「基盤ネットワークにおける安定した通信環境構築法」と「基盤ネットワークの状態変化に応じた資源割当法」について検討を進める. 前者については,従来より検討を実施しているOpportunistic Routingを中心に,特定のエンド間のみならず,ネットワーク全体として有効な経路を適切に維持するアルゴリズムを中心に検討を行う.後者については,本年度実施した検討と併せて,動的環境においてもVNE問題を妥当な時間で解くアルゴリズムの検討を行う.現状,VNE問題の解を得るためには数分程度の計算時間が必要であるが,これは提案手法で遺伝的アルゴリズムを利用していることや埋込解の計算機内部での表現方法が十分に最適化されていないことに起因すると考えられる.そのため,各種パラメータの適正化を行うこととともに,データ構造およびアルゴリズムの改良も時間計算量的視点から実施する.
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