研究課題/領域番号 |
23K11145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
西山 正志 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (20756449)
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研究分担者 |
井上 路子 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (10980724)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 微動作映像 / 印象認識 / 視線分布 / 人物印象 / 動画像認識 / 可視化 |
研究開始時の研究の概要 |
観察者と同じようにシステムが映像を見ることで,その映像中の人の微動作から受ける印象の良し悪しを自動で認識する方法を開発する.映像中の人を観察者が見て印象を感じる時,観察者の視線が集まる身体領域に,印象を決める上で重要な手掛かりが含まれていると想定される.本研究では,微動作映像の印象認識をシステムが人のように行うため,観察者が微動作を見る時に計測された視線分布を手掛かりとして,印象認識に有益な時空間特徴を抽出する.
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研究実績の概要 |
本研究では,実際の観察者と同じようにシステムが映像を見ることで,その映像中の人の微動作から受ける印象の良し悪しを自動で認識する方法を設計していく.映像中の人を観察者が見て印象を感じる時,観察者の視線が集まる身体領域に,印象を決める上で重要な手掛かりが含まれていると我々は想定している.本研究では,微動作映像の印象認識をシステムが人のように行うため,観察者が微動作を見る時に計測された視線分布を手掛かりとして,印象認識に有益な時空間特徴を抽出することを考えている.具体的には,観察者の視線分布を人体モデル上で確率的に表現する方法を開発し,微動作映像の印象認識を行う深層学習の手法を開発していくことを考えている.さらに,印象を予測する時,映像から視線分布を推定し,映像のどの時点のどの身体の動きが,印象を良くしたかを可視化することで,印象認識の結果を,人へ分かりやすくフィードバックするシステムを構築していく. 本年度は,微動作が重要となる状況を想定し微動作映像データセットを構築した.微動作が印象形成に大きく影響する状況として,採用面接を想定した.一般的に,採用面接において志願者と面接者とは,初対面であることが非常に多い.このためノンバーバル情報である微動作が,志願者の第一印象を決める上で重要になると考えた.自然な微動作映像をカラーカメラで収集することで,採用面接を模擬したデータセットを構築した.多くの面接で行われている面接者と志願者との間の会話を対象とした.就職活動を経験した学生や,これから経験する学生に依頼することで,印象について多様な変動をもつ微動作映像を収集した.これらの微動作映像を,実際に採用面接を行う役職者レベルの方々に視聴して頂いた結果,概ね想定される良い印象の微動作を志願者が行っていることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,計画通りに研究課題へ取り組むことができた.研究成果の進捗について国際会議と国内会議とで発表し,本課題の着眼点,印象に関する考察,および,主観評価による実験結果について高評価を得た.どのような微動作を人間は行うのか,および,その印象をどのように評価していくかを,本年度は微動作映像データセットの収集を通して,その考察を深めた.実応用で考えられる採用面接の状況を想定し,印象の良し悪しについて主観評価を行った.現時点では,当初計画した成果が見込まれる実験結果を得ている.次年度以降は,印象を感じている観察者からの視線を計測し可視化する手法について,独自改良を加えていき,検証をさらに深められる方向性が,本年度の実験結果より明らかになった.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に構築した採用面接の微動作映像データセットについて,その印象の良し悪しを人間が見分ける時の視線分布を可視化する方法について,次年度以降で構築していく.このために,次年度の実験では,人物映像を等身大で表示できる装着型VRゴーグルを用いて観察者に刺激を与えていく.観察者には,微動作の映像を見た後,印象の良し悪しを多段階の主観スケールで回答してもらう.印象の良し悪しによる視線分布の違いを,可視化結果に基づき分析を進めていく.さらに次年度以降では,視線分布から算出された頂点注目確率を用いて,深層学習に基づく映像認識手法を開発していく予定である.既存の映像認識のように画素値のみを特徴抽出に用いるのではなく,観察者の視線分布も特徴抽出に用いることで,人の主観である印象を認識する場合に有益な時空間特徴を抽出していくことを狙う.なお,既に得ている研究成果については早急に論文化を進めていく.
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