研究課題/領域番号 |
23K11149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原 健二 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (50380712)
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研究分担者 |
井上 光平 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (70325570)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 陰陽格子 / 360度画像 / スーパーピクセル分割 / SLIC / 共役勾配法 / 最適バイキュービック補間 / 重合格子法 |
研究開始時の研究の概要 |
Simple Linear Iterative Clustering (SLIC)は、強力なスーパーピクセル分割手法であるが、全天球画像は格子の大きさのばらつきが大きく、また極点で特殊処理が必要となるため、そのままでは全天球画像に適用できない。SLICを通常の平面画像に用いた場合と同等以上に高速・高精度な全天球スーパーピクセル分割手法も研究代表者の知る限り存在しない。本研究では、陰陽格子を修正した二つの重合格子法を開発し、これらを用いてSLICを全天球画像に拡張し、高速・高精度に全天球スーパーピクセル分割を行う一連の手法を開発する。
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研究実績の概要 |
スーパーピクセル分割は類似した画素を知覚的に意味のある小領域にグループ化するものでコンピュータビジョンと画像処理の分野で広く用いられている。SLIC(Simple Linear Iterative Clustering)は強力なスーパーピクセル分割手法であるが、全天球画像は格子の大きさのばらつきが大きい上に極点で特殊処理が必要となるため、そのままでは全天球画像に適用できなかった。本研究課題では陰陽格子を修正した重合格子法を開発し、これを用いてSLICを全天球画像に拡張することで高速・高精度に全天球スーパーピクセル分割を行う手法の開発を目的としている。 360度画像の正距円筒表現の陰陽格子への分割において異なる緯度経度座標間の画素補間に最近傍法を用いることを当初予定していたが、このとき分割画像にジャギー(エイリアス)がしばしば発生し、次ステップのスーパーピクセル分割の精度に大きく影響する恐れがあることが判明した。そこで当該年度はこの問題を解決するため、MSE基準下で最適な360度画像の陰陽格子への同時分割・統合手法を開発した。本手法ではまず、パラメータをひとつ持つバイキュービック補間法を用いて正距円筒表現された360度画像を陰格子画像と陽格子画像に分割する。次にこのとき得られた陰格子画像と陽格子画像をもうひとつ別のパラメータを持つバイキュービック補間法を用いて正距円筒表現された360度画像に統合・出力する。このとき入力と出力の正距円筒画像の差異をMSE基準下で最小化するパラメータを共役勾配法を用いて解く。このようにして360度画像からジャギーのない陰格子画像と陽格子画像が同時に得られることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画立案当初は、360度画像の正距円筒表現を陰陽格子に分割した画像を生成する際、最近傍法を用いて異なる緯度経度座標間の画素補間を行う作成済みプログラムをそのまま利用する予定であったが、このようにして得られた陰陽格子画像を精査した結果、ジャギーが生じて次ステップのスーパーピクセル分割の精度に大きく影響することが予備実験で確認された。そのため、360度画像を高精度に陰陽格子分割する手法を新たに開発・実装する必要が生じ、当初当該年度に予定していたスーパーピクセル分割手法の開発・実装に着手できず、本研究課題の遂行に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
現在までにMSE最適な360度画像の陰陽格子へのバイキュービック分割・統合手法を開発・実装して陰陽格子画像の生成における問題点が解決できたので、この前処理手法で得られた陰格子画像と陽格子画像を改めて入力とする360度画像のスーパーピクセル分割手法を開発する予定である。
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