配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究実績の概要 |
本年度は、深層学習を用いた牛の顔識別を扱った。 まず学習に用いる牛顔画像データセットを作成した。宮崎県内の3つの畜産農場で、牛動画像の撮影を行い、2781本の動画を得た。次に、動画中から牛顔領域を抽出するために、牛顔切り出し・追跡ツールを開発した。これは、YOLO と呼ばれる深層学習を用いた物体検出器に、5,921枚の牛顔画像を学習させた上で、SORT と呼ばれる物体追跡手法を改良して動画内の牛顔を追跡するものである。このツールを使って、1,192頭の牛に対して、動画中から1,026,708枚の牛顔画像を切り出した。得られた牛顔画像の内、画像枚数が少ない牛を除き、事前に準備していた他の牛顔画像を加えることで、学習用 1,614頭・629,784枚、評価用 214頭・67,309枚 の画像からなる牛顔画像データセットを作成した。 次に、作成した牛顔画像データセットを用いて、学習を行った。深層学習としては、ArcFace と呼ばれるネットワーク構造を基本に、特徴抽出部(バックボーン)としてVGG16, ResNet18, ResNet34, ResNet50, ResNet101, MobileNetv2 を比較した。比較の結果、大きな違いは見られなかったので、比較的ネットワークの規模が小さく、学習時間が短くできる ResNet18 を採用した。更に、データ拡張として、各種の手法の組み合わせを調査し、最良の結果が得られた「アフィン変換+色変換+CutOut」の組み合わせを採用した。学習用データを100エポック学習させた所、学習データに対して99.9%の精度が得られた。さらに、評価用データの画像を半分に分け、一方を登録用、他方を照合用として牛個体識別を行った所、88.9%の精度が得られた。
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