研究課題/領域番号 |
23K11157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
田崎 豪 名城大学, 理工学部, 准教授 (40824660)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 物体姿勢推定 / ロボットビジョン / 姿勢推定 / 把持位置推定 / 物体整理 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的なロボットは物体の姿勢を高精度に推定してから、物体を整理する。高精度な姿勢推定には、ニューラルネットワークを用いることが多い。しかしニューラルネットワークは、学習していない未知物体の姿勢推定は困難である。そこで本研究は、未知物体の正確な姿勢推定は困難でも、表向きか否か、上向きか否かという姿勢に関する状態の分類は容易であることに着目した。正確な物体姿勢を使用せず、物体の姿勢に関する状態分類結果に基づき、ロボットに未知な物体を整理させる新手法を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究はロボットによる商品整理を対象とし、新商品のように、形状は同じであるが、ロボットにとって初めての見た目となる未知物体を整理することを目的としている。従来のロボットの物体整理では、整理対象物体の姿勢をあらかじめニューラルネットワークで学習し、学習したニューラルネットワークで正確な物体姿勢を推定することで、正しい向きへ整理していた。ニューラルネットワークを使用した学習ベースの手法は、学習したことがある「形状も見た目も既知」の既知物体に対しては有効である。しかし、新商品のように見た目が異なる未知物体に対しては姿勢推定精度が低下してしまう問題があった。 そこで本研究は、未知物体であっても表か裏か、上向きか下向きかといった大まかな姿勢の推定は可能であることに着目した。学習済みの特徴抽出ニューラルネットワークを用いて、既知物体の大まかな姿勢として、物体が接地している面と、上向き、下向き、右向き、左向きといった大まかな方向の特徴をそれぞれ抽出する。未知物体においても特徴抽出ニューラルネットワークを通して特徴を得て、得られた特徴と最も近くなる既知物体の接地面と方向の特徴を探索し、探索の結果得られた特徴が示す接地面と方向を、未知物体の大まかな姿勢として推定する手法を開発した。 さらに本年度は、大まかな姿勢と物体の形状を利用することで、未知物体の見た目を既知物体の見た目へ変換した画像を作成し、変換した画像を用いることで高精度に姿勢を推定する新手法も開発した。大まかな姿勢で画像変換を行った場合と行わなかった場合で、未知物体の姿勢推定結果を比較したところ、姿勢推定誤差30度以内で推定できた割合は、それぞれ75.7%、66.6%となり、9.1ポイントの精度改善が見られた。未知物体の姿勢推定の精度が改善したことで、未知物体整理の自動化に貢献できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和五年度の実施計画にあった物体の大まかな姿勢推定を実施し、次年度に使用予定のロボットの開発も完了した。さらに前倒しで令和六年度に実施予定であった未知物体の見た目を既知物体に変換する手法を開発し、未知物体の姿勢推定精度が改善することも確認できたため、当初の計画以上に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、開発した大まかな姿勢推定結果を用いて、ロボットが商品を把持する位置を推定する把持位置推定に取り組む。ロボットも開発済みであるため、推定した把持位置を用いた商品整理の性能も確認する。
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