研究課題/領域番号 |
23K11163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
木谷 俊介 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (70635367)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 選択的聴取 / 音声コミュニケーション / 時間分解能 / 周波数分解能 / 隠れた難聴 / 耳音響放射 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「聴き取れない」、「音を切り分けられない」といった聴覚の問題と音声コミュニケーションとの関係を一つの枠組みの中で明らかにすることである。これまでは聴覚と音声コミュニケーションのパフォーマンスは別個に議論されており、聴覚の問題の相互作用や関連性については明らかになっていない。本研究では、これらの問題を一つの枠組みの中で再定義するために音声を用いた聴覚評価系を新たに構築することを試みる。最終的には、同一の知覚実験によって、どの問題が音声コミュニケーションに影響を与えているのか、またどの程度相互作用しているのかを判断できるシステム基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究では、「聴き取れない」あるいは「音を切り分けられない」といった聴覚の問題と音声コミュニケーションとの関係を一つの枠組みの中で明らかにすることである。そのために、音の「聴き取り」と「切り分け」に関わる聴覚特徴を心理的評価および生理的評価によって明らかにする。初年度である本年度は、実施計画に沿って、聴き取りに関する心理的評価と生理的評価を行った。 心理的評価として、音声コミュニケーションに重要であると考えられているいくつかの評価指標について検討した。選択的聴取の能力を測る単語了解度試験、周波数分解能を測るためのマスキング実験、時間分解能を測るためのギャップ検出実験、振幅変調検出実験、周波数変調検出実験、認知機能に関わるN-back実験を行った。 生理的評価として、耳から微小な音が放出される現象である、耳音響放射の計測を行った。耳音響放射は、内耳の非線形性によって生じると考えられている生理現象である。 これら各評価結果を得ることができたのは実施計画どおりであるとともに、同一の実験参加者から多角的に評価結果を得たことは重要な成果である。二年目は、「切り分け」に関しての実験を行い、聴き取りに関わる結果と合わせて心理的/生理的評価に基づいて、音声コミュニケーションに関わる聴覚特徴を明らかにする。本年度は、音声コミュニケーションを評価できる仕組みを作るための、最初の評価軸を作ることができたことが成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、実施計画に沿って、聴き取りに関する心理評価と生理評価について取り組んだ。心理評価では、七種類の評価項目について計46名の実験参加者に対して実験を行った。生理評価では、耳音響放射を計10名の実験参加者に対して計測を行った。実施内容は、当初の実施計画どおりであり、これらの実験参加者数は、実施計画での予定数を超える成果である。そのため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
計画二年目の2024年度は、実施計画に沿って、音の切り分けに関する心理評価と生理評価について取り組む。心理評価に用いる実験刺激については、計画に則り、音声の生成過程に基づいて作成する。生理評価は、初年度に実施した耳音響放射に加えて聴性脳幹反応についても検討する。
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