研究課題/領域番号 |
23K11168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
三柴 数 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (40609038)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 画像フィルタリング / 高速化 / フィルタ設計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高速で多様な特性のフィルタ設計が可能な、新しい枠組みを開発する。これを実現するために、まず高速なパッチ推定法を設計し、その性能を評価する。次に統計的性質を利用した新たなパッチ統合法を検討する。最後にパッチ推定法と統合法を組み合わせたフィルタの性質を解明する。この枠組みが実現することで、多様な画像処理アプリケーションに対応する新たなフィルタ設計手法の発展が期待できる。
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研究実績の概要 |
2023年度は、計算量がΟ(1)であることを保証し多様な特性のフィルタ設計を可能にする枠組みの構築を目指す本研究の初年度として、パッチ推定および統合の方法を検討した。 まず、パッチ推定方法として、ノイズ除去、平坦化、エッジ強調、画像復元の4つのモデルについて、数式モデルと推定法を示した。またこれら全てはΟ(1)で計算可能な形で実現できた。特にエッジ強調や画像復元においては、本研究の枠組みに沿って、既存技術とは異なる新規モデルを開発することができた。これら2つのモデルは当初の想定にはなかったが、研究を進める過程で、従来研究の調査と理論的な解析により新たに導くことができた。これにより、提案する枠組みを用いて多様な画像処理を実現するための基盤が整いつつある。 次に、パッチ統合法についても研究を進め、全パッチで同一の重みを使った統合方法、およびパッチ内分散に反比例した重みの累乗を用いた統合法が有効であることを確認した。特に後者の統合法については、理論的にその妥当性を示した。もともとパッチ内分散に反比例した重み自体は従来から存在していたが、これを累乗して用いることで、より柔軟で調整可能性が高い統合法を実現することができた。 さらに、提案したパッチ推定と統合方法を組み合わせたフィルタに関して、これまでに無い新規の特性を持ついくつかについての性能分析にも着手した。具体的には、平坦化、エッジ強調、画像復元について理論的な解析と実験が進みつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の2023年度における進捗状況は、研究計画を順調に遂行し、当初の目標を超える成果を上げている。 まず、パッチ推定法の開発では、ノイズ除去、平坦化、エッジ強調、画像復元のモデルを構築した。これらはすべてΟ(1)の計算量で動作し、特にエッジ強調と画像復元では、これまでにない新規モデルを提案することができた。これにより、本研究の枠組みを用いて多様な画像処理を実現するための基盤が整いつつある。 パッチ統合法についても検討が進み、全パッチで同一の重みを使った統合方法、およびパッチ内分散に反比例した重みの累乗を使った統合方法が効果的であることを示した。 さらに、提案したパッチ推定法と統合法を組み合わせたフィルタの性能分析にも着手し、フィルタの効率的な動作と多様な特性の設計が可能であること言える段階まで研究が進んだ。 研究の進捗は計画よりも早く、推定法と統合法の基礎的な部分はすでにほぼ完成している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として、まず提案したパッチ推定法および統合法の組み合わせによる新規フィルタの性能分析を進め、論文としてまとめる予定である。具体的には、各種アプリケーション(ノイズ除去、エッジ強調、画像復元など)に対する効果を測定し、その性能を他のフィルタと比較することで、本枠組みの有効性を示す。評価では、フィルタサイズやパッチ推定・統合に固有のパラメータを調整し、最適なパフォーマンスを得るための条件を明らかにする。 この過程で新たに得られることが期待できる知見を多様な特性のフィルタ設計を可能にする枠組みの構築にフィードバックし、推定および統合に関してより確かな基盤を作成する予定である。 また、推定と統合の多様な組み合わせから得られるフィルタ特性を総括的に把握するための性能マトリクスの作成を目指す。これにより、ユーザーが目的に応じた最適なフィルタを選択できるようになるだけでなく、新たなフィルタ設計のアイデアのヒントを提供することも期待できる。
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