研究課題/領域番号 |
23K11201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
高橋 秀也 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (30197165)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 裸眼3次元ディスプレイ / パララックスバリア / 複数人追従 / アイトラッキング制御 / 医療用 / 裸眼3Dディスプレイ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、従来の基本的なパララックスバリア方式の裸眼3Dディスプレイの構成を変更することなく、簡単なシステム構成による外科手術支援のための複数人同時観察可能な視点追従型ライトフィールドディスプレイを開発することである。外科手術の現場において、立体内視鏡を用いた手術やロボット手術の補助のために、高画質・広視域で複数人が同時観察可能で、特殊な眼鏡を必要としない裸眼3Dディスプレイが求められている。提案システムでは、複数の観察者に対して広い視域で高解像度3D映像を提示する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、従来の基本的なパララックスバリア方式の裸眼3Dディスプレイの構成を変更することなく、簡単なシステム構成による外科手術支援のための複数人同時観察可能な視点追従型ライトフィールドディスプレイを開発することである。外科手術の現場において、立体内視鏡を用いた手術やロボット手術の補助のために、高画質・広視域で複数人が同時観察可能で、特殊な眼鏡を必要としない裸眼3Dディスプレイが求められており、提案システムでは、複数の観察者に対して広い視域で高解像度3D映像を提示する。具体的には、研究期間内に、応募者がこれまでに実現した、視域が広く、クロストークが非常に低くモアレが無い高画質で高解像度のパララックスバリアを用いた視点追従型ライトフィールドディスプレイを基本とし、2人の観察者を個別にアイトラッキングすることにより、2人の観察者の異なる視点位置に対応して、それぞれ最適な3D映像を表示することによって大幅な視域の拡大と高解像度映像を実現する。 令和5年度は、従来の1人用視点追従型ライトフィールドディスプレイの眼間距離を大きく設定し、各眼の位置を2人の観察者の位置に対応させ、従来の片眼用光線群を左右の眼に対応した光線群とすることによって2人同時観察を可能とする裸眼3Dディスプレイを実現するためのパララックスバリアを設計し、A4サイズのバリアをディスプレイに貼合した試作機を用いて、2人の観察者の視点位置を構成できることを確認した。また、アイトラッキングによって検出した2人の観察者の各々の視点位置がディスプレイに対して横方向へ移動する場合の視点移動を想定し、観察者ごとに個別に追従して最適な3D映像を表示するための光線再生用画像の合成レンダリング手法を開発し、横方向に180mmの範囲内で、立体視が可能な15%以下のクロストーク率を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、従来の1人用視点追従型ライトフィールドディスプレイを改良し、従来の左右の片眼用光線群が集まる位置を2人の観察者の位置に対応させ、従来の片眼用光線群をさらに1人の観察者の左右の眼に分けて割り当てることによって、2人同時観察を可能とする裸眼3Dディスプレイを実現する原理確認を行った。 新しく提案した2人同時観察を可能とする裸眼3Dディスプレイを実現するためのパララックスバリアを設計し、作製したA4サイズのバリアをディスプレイに貼合した試作機を用いて、2人の観察者の視点位置を構成できることを確認した。 また、アイトラッキングによって検出した2人の観察者の各々の視点位置がディスプレイに対して横方向へ移動する場合の視点移動を想定し、観察者ごとに個別に追従して最適な3D映像を表示するための光線再生用画像の合成レンダリング手法を開発し、1人の観察者の横方向への移動範囲が180mmの範囲内で、一般に立体視が可能とされている15%以下のクロストーク率を実現した。 上記より、2人の観察者の視点位置を構成できることと、左右画像のクロストークを低く保ったまま各視点位置を個々の観察者の横移動に追従して変化させることが可能であることから、2人同時観察を可能とする裸眼3Dディスプレイの原理確認ができたと考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、2人の観察者が同時に3D映像を観察可能な裸眼3Dディスプレイの原理確認と、2人の観察者を別々にアイトラッキングして3D映像を観察可能な領域を広くするための3Dディスプレイのアイトラッキング制御技術を開発し、それらの有効性を明らかにした。令和6年度~令和7年度においては、観察者の奥行方向への移動を考慮したアイトラッキング制御を提案・開発すること、および2人同時観察可能な裸眼3Dディスプレイの実用化に向けた課題の抽出および改善を行う必要がある。 具体的には、次の通りである。 1.令和5年度の観察者の視点移動は、ディスプレイに対して横方向となることを想定していたが、従来は困難であったディスプレイに対して奥行き方向の観察者の視点移動にも観察者ごとに対応させ、2人の観察者それぞれにおいて非常に広い立体視域を実現する(令和6年度)。 2.令和5~6年度において実現した試作システムについて、本学医学部等で評価し、、医療現場で使用可能とするための画質や視域の課題抽出および改善を行う(令和7年度)。
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