研究課題/領域番号 |
23K11207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
舩山 朋子 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (20460389)
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研究分担者 |
本間 信生 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20252017)
浅野 泰仁 東洋大学, 情報連携学部, 教授 (20361157)
内田 恭敬 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (80134823)
大久保 英一 帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (30529722)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 活動アセスメント / デジタル機器 / リハビリテーション / ヒューマンインタフェース / 技術受容モデル |
研究開始時の研究の概要 |
一般社会ではスマートシューズやデジタルペーパー等、活動で使用する用具の高機能化が進んでいる。そして、リハビリテーション分野では靴・服・筆記用具等が訓練・支援で多用される。しかし、リハビリテーション分野でこれらのデジタル化が進んでいるとは云えない。本研究では今までの研究で活用した活動測定デジタル機器をリハビリテーションサービスに導入するため、最新機器も加え調査し技術受容に必要な要素を明らかにする。技術面、倫理的・法的・社会的面から導入実現可能な体制構築を提言する。本研究の目的は活動測定デジタル汎用機器のリハビリテーション実務への導入である。
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研究実績の概要 |
腕時計型光センサ、圧力センサ内蔵スマートインソール、脱着可能加速度センサ、動画からの骨格検出情報データを用いて調査を行った。 腕時計型光センサMAXREFDES103を用いて日常生活活動中に測定し、併せて測定時の活動内容と体調を記録した。光センサデータと活動・体調との関係性を分析した。スペクトル強度と周波数帯域の特性を、異なるデータ数、すなわち異なる時間で区切りフーリエ解析を行ったところ、データ数の違いにより特徴的なスペクトル強度が異なっていた。容積脈波による解析を試みたところ、脈拍と思われる周波数より高い周波数の特徴は検出されなかった。 圧力センサがつま先・踵・内側・外側の4部位に内蔵されているスマートインソールと加速度センサを装着した靴を用いて、歩行アシストロボットの装着前、装着中、装着後のデータを分析した。病院に勤務する作業療法士・理学療法士による評価と照らし合わせ、データの抽出および解析方法を検討した。ピーク値、ピーク後減少率、足底接地時間、踵接地から次の踵接地時間等を算出したところ、荷重時間や左右足底への荷重のかけ方が変化した可能性が示唆された。重要と考えられたデータを抽出できるようリハビリテーションに焦点化をあてたプログラミングをPythonで行った。 歩行動画データからは、Mediapipeで骨格情報を検出した。歩行中の骨格情報からストライド長、歩行速度、足関節角度の算出を試みた。前額面より矢状面が映し出される動画データの方が比較的容易に分析できたが、矢状面撮影の場合はより広いスペースが必要となることから医療施設におけるリハビリテーション現場では難しいと考え、前額面から撮影し分析した。 世界の研究状況の把握および最新技術を取り入れるため、国内外のリハビリテーションにおけるデジタルセラピーへの取り組み状況に関して文献調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腕時計型光センサは、装置MAX-HEALTH-BANDがバージョンアップしたandroid端末とBluetooth接続ができず使用することができなかった。MAXREFDES103を使用し研究者自身が日常生活活動と体調の関係を調査したが、デバイススイッチ操作のタイミングによりデータが取得できないことがあった。操作の難しさや測定時にパソコンを要すること等から、病院に勤務する作業療法士・理学療法士が使用した調査には至らなかった。 圧力センサが内蔵されているスマートインソールと加速度センサを装着した靴を用いて、健常者が被検者となり歩行アシストロボットの装着前、装着中、装着後のデータを分析した。スマートインソールFEELSOLEの使用では、クラウドへ測定結果が保存できないことがあった。iOSアプリのアップデートおよび測定データのアップロードの対応が必要であった。スマートインソールは2㎝刻みの製品であるため、靴に合わせたカットが必要であった。前方つま先といった特定部分をカットすると足底全体におけるセンサの相対位置が変更になった。このため、片足のみであったが自作したスマートインソールにて、膝関節制限の有無とつま先・踵・内側・外側4部位の位置データをサポートベクターマシンおよびディシジョンツリーで分類し、センサ位置による特徴量の違いの検出を試みた。 歩行動画データからは、Mediapipeで骨格情報を検出した。健常者1名における測定後、脳卒中後遺症の患者様1名で調査を行った。現在は、病院に勤務する作業療法士・理学療法士による評価と照らし合わせ、データの抽出方法を検討しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
iOSやAndroid端末と測定装置との接続問題に関しては、研究者と病院や施設勤務の作業療法士・理学療法士との間における情報交換の頻度を増やし対応する。また、新たに発売された安価で操作が容易な装置や有用性が高いと考えられる機器の利用を検討する。協力者である病院勤務の作業療法士・理学療法士と、装置操作技術的要因以外の要素についても整理し解決案を検討する。また、作業療法士・理学療法士よる評価と照らし合わせ既に作成した解析法について、協力者を増やし妥当性を検証する。光センサデータは、容積脈波の出力がなく脈拍データのみの装置が多く普及している。MAXREFDES103を使用し容積脈波データで解析を行ってきたが、脈拍より高い周波数の特徴は検出されなかった。脈拍データの解析でも容積脈波と類似の解析ができる可能性があるため、測定装置操作の難易度により今後は臨床現場レベルにおける扱いの容易なセンサとして脈拍データから解析することも検討する。また、開発環境(SDK)が公開され、プログラムのカスタマイズが可能な市販製品が流通し始めた。価格、操作の容易性・ユーザーインターフェース、データの有用性、データ抽出プログラミングの難易度等から使用する装置を検討する。
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