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マイクロロボットとしての単細胞生物ゾウリムシの空間適応行動アルゴリズムの定式化

研究課題

研究課題/領域番号 23K11251
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分61040:ソフトコンピューティング関連
研究機関琉球大学

研究代表者

國田 樹  琉球大学, 工学部, 准教授 (20645478)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード単細胞生物 / 学習能 / 空間適応 / ゾウリムシ / 膜電位動態 / 数理モデル / 行動 / 繊毛虫 / 膜電位
研究開始時の研究の概要

医学分野では血管内や消化管内で働くマイクロロボットの開発が進められている。マイクロロボットが適切に働くためには目的とする場所に移動することが必要であるが、生体内のような複雑な環境では事前に移動経路を設定することが難しい。そこで、本研究では自然が作り出したマイクロロボットである単細胞生物ゾウリムシの行動を実験的に調べると共に数理モデルで表現することによって、マイクロロボットの行動アルゴリズムのヒントを得ることを目指す。

研究実績の概要

本研究は、自律行動型マイクロロボットが未知の空間形状に適応しながら移動できる空間適応行動アルゴリズムの設計を目指し、自然が作り出した自律移動型マイクロロボットである単細胞生物の空間適応行動アルゴリズムを運動方程式で表現することを目的としている。具体的には、単細胞生物ゾウリムシの空間形状への適応行動をターゲットに、その行動を細胞の物理化学的な反応に基づく運動方程式で表現することが目標である。
この目標達成のために、研究を3段階に分けて遂行している。第1段階は、ゾウリムシがL字型経路の曲がり角を一回の行動反応で曲がれない場合に形状に適した新たな行動を生み出すかを空間適応能試験により検証する段階である。第2段階は、その適応行動の保持期間がどれだけかを短期記憶能試験により検証する段階である。第3段階は、膜興奮ダイナミクスと運動ユニットを組み合わせて空間適応能を運動方程式で記述する段階である。
2023年度は、上述の第1段階の基礎となる実験および第3段階の基礎となる運動ユニットのモデル構成を遂行した。第1段階の基礎実験では、ゾウリムシが自由遊泳空間で障害物に衝突した場合の典型的な行動応答の実験調査、L字型経路の試作と試行実験を実施した。障害物衝突時の典型行動は主に3つに分けられ、それら行動を簡易的な数理モデルで再現した。それら結果を論文にまとめ、国内学会の欧文誌に投稿した。第3段階のモデル構成では、クラミドモナスの3次元遊泳モデルを基盤に、ゾウリムシの繊毛運動に基づく3次元遊泳モデルを構成した。ゾウリムシの自由遊泳時の3次元的な螺旋遊泳を再現できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、本研究を遂行する基盤となる実験環境を試作した。また、2025年度以降の実験の基盤となるゾウリムシの典型行動を実験的に確認し、論文にまとめることができた。さらに、今後のモデルの基盤となる運動ユニットのモデル構成を行い、ゾウリムシの自由遊泳時の行動を再現できた。以上のことから、おおむね当初の計画通りに進行していると考える。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、研究の基盤となる実験データの収集を中心に研究を遂行する。具体的には、L字型容器中でのゾウリムシの行動を観察し、I字型容器中での行動との違いを確認する。実験的研究の成果をまとめ、生物系もしくは生物物理系の国内学会で研究発表を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Cellular Ethological Dynamics in Diorama Environments2023

    • 著者名/発表者名
      Nishigami Yukinori、Kunita Itsuki、Sato Katsuhiko、Nakagaki Toshiyuki
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 92 号: 12 ページ: 121009-121009

    • DOI

      10.7566/jpsj.92.121009

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 単細胞生物ゾウリムシの空間適応能2023

    • 著者名/発表者名
      國田樹
    • 雑誌名

      細胞

      巻: 55(8) ページ: 625-629

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 真正粘菌変形体の生体信号と成長サイクルから得る数理モデル2023

    • 著者名/発表者名
      宇座恩, 國田樹
    • 学会等名
      第23回 公益社団法人 計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Observation of an end of actin filament with several nanometer accuracies2023

    • 著者名/発表者名
      圓福 光, 三谷 隆大, 國田 樹, 本多 元
    • 学会等名
      第61回 日本生物物理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Slow Time-Constant Channel Responses Driving Intellectual Behavior in Paramecium2023

    • 著者名/発表者名
      Itsuki Kunita
    • 学会等名
      Diorama-Ethology Ciliate Workshop
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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