研究課題/領域番号 |
23K11278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61050:知能ロボティクス関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
米澤 朋子 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90395161)
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研究分担者 |
吉田 直人 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 助教 (40836714)
山添 大丈 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (70418523)
佐々木 恭志郎 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (70831600)
植原 亮 関西大学, 総合情報学部, 教授 (40534368)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 身体的アプローチ / 受容性 / 忌避行動 / ロボット / パーソナルスペース / 触覚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,他者からの視線,接近,接触を一連の身体的アプローチと捉え,受容性を複合的かつ段階的に包括することで,嫌悪感情に基づき拒絶姿勢を示したり忌避しつつも遠慮するなど,多様な拒否のあり方や表し方の解明と,それによる身体的忌避行動(顔をそらす,払い退ける,後ずさる等)を示すコミュニケーションロボットの実現を目指す.そのため,i) 視線,接近,接触など他者のマルチモーダルな身体的アプローチを取得し,受け手であるロボット側の受容度を推定するとともに,ii) 受容度からロボットの忌避行動を生成する受容性表現行動モデルを作成し有効性を評価する.
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研究実績の概要 |
今年度は複数タイプの忌避行動ロボットデザインを検討した上で,実験計画を2つたて,そのうち1つを実施した.ロボットアームの動きによる人の印象評価を行うための実験環境を構築し,人の動作に対するリアクションを含む様々なロボットアームの動作によって,ロボットアームに対する人の印象変化について予備実験を行った.ここでロボットアーム下の移動ロボットと協調動作することで「攻撃性」「逃避性」を表す忌避行動をデザインした. さらに触覚に着目し、擬似触力覚に対する人間の認知特性と接触行動よって生じる主観的影響の評価を行った。嫌悪感や癒しなど相反する感情を抱く可能性のある他者との接触の影響を調査するため、擬似生理現象を搭載した生物/非生物的外観を有するぬいぐるみ/クッションを用いて実験を開始した。(A)自分の所持品と他者の持ち物の間にもパーソナルスペースの様なものが存在する (拡張的 PS).この拡張的PSがコロナ禍で拡大したことを明らかにした.さらに,その制御方法について検討を行った. (B)ヒト型エージェントへの忌避印象について,目のハイライトの有無が忌避印象の制御要因になることを突き止めた.また,知覚的カテゴリとの関連についても検討を重ねた. 他にも対人恐怖や感染嫌悪の観点から忌避反応について包括的に検討を重ねた.なお,これらの成果については,国内学会発表 (1件は発表賞を受賞) やプレプリントとして公開をした (同時に査読付き国際誌に投稿中). 他にも,人工知能が発揮する創造性の本性の検討を通じて、とりわけ知的徳を帰属させる対象としての行為主体性(agency)についての概念的な明確化とそれにまつわる課題を考察し、また法学研究者との討議を通じて議論を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験実施計画を追加したため一部やることが増えつつ,当初の計画通り検証を進めている.ロボットの構成もよりシンプルかつフレキシブルなものになる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後の2年間では、1)接近と接触に視線を加えた忌避行動要因の実験計画を立てる,2)拒絶におけるDominance設定問題について異なる忌避行動をデザインする,3)認知および知覚的な観点から,忌避行動の理解と人間側の受容,および関係性の再構築について検証する,4)倫理的な問題に対するロボットの持つべき規範と,ロボット自身の表現の間の着地点を議論する,という計画を実施していく. 現段階で下地が完了しつつあると言えるため,ここからの代表者と分担者の役割に応じ4項目を実施していく予定である.
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