研究課題/領域番号 |
23K11292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
板井 陽俊 中部大学, 工学部, 講師 (10551971)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | SSVEP / 注意 / リラックス / VR / 眼球情報 |
研究開始時の研究の概要 |
一定時間間隔にて白と黒の模様が入れ替わる市松模様(以降、視覚刺激)への注視により発生する周期的な視覚誘発脳波はSSVEPと呼ばれ、注意の検出や脳波を利用した外部機器の操作技術(BCI)に利用される。一方、SSVEPは計測ごとに誘発量がばらつく、誘発されない人が存在する、という問題がある。本研究では、視覚的注意が反映される眼球情報を解析し、SSVEPのばらつきや誘発されない現象に注意の向け方が与える影響を明らかにする。さらに、SSVEP誘発量のフィードバック実験を行い、SSVEPが誘発される注意の向け方が人為的に獲得可能か検証する。これにより、より多くの人が利用可能なBCI技術の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度の計画では,周期的に点滅する視覚刺激へ注意を向けた際に誘発される脳波(SSVEP)と,注意を反映する微細な眼球運動(MSC)を同時に計測するシステムを構築し,SSVEPが誘発されやすい被験者群とされにくい被験者群を選択する計画になっていた.しかし,予定されていた眼球計測装置の導入が困難となったため,脳波計を用いたSSVEP計測,SSVEPと眼球計測環境の最適化を主に行った. 本研究の目的であるSSVEPと眼球情報の同時計測について,1.従来の平面ディスプレイによる実験,2.不要な刺激の排除が可能なVR空間内による実験,のどちらが良好な結果が得られるか検証するため,現実空間内のSSVEP誘発実験環境を模倣したVR空間を構築し,脳波計測実験を行った.その結果,VR空間においても良好なSSVEP誘発は実現可能であることを示した. さらに,実験中の被験者の感情やリラックス状態によりSSVEP誘発に影響が現れ,本研究の目的の妨げにならないか検証を行った.音楽によるリラックス状態と,計算課題による負荷状態を被験者に誘発させ,双方の状態を保ったままSSVEP誘発実験を行った.その結果,負荷状態の方がSSVEPがより誘発されることを示した.そのため,実験時の負荷状態を一定にする必要があることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SSVEPと大きな眼球運動(サッカード)の計測環境は構築できたが,本研究の目的である微細な眼球運動であるMSCの計測には至らなかった.原因としては,予定されていた計測機器の導入が困難となったことがあげられる.一方,研究計画を見直すと同時に,計画段階にて提案された液晶モニタとVR環境との比較による計測環境の最適化,注意以外のSSVEPに影響を与える要素である感情がSSVEPに与える影響について研究を行い,有意義な成果が得られたことから,やや遅れていると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
MSCの計測機器の導入次第,SSVEPとMSCの同時計測を実行する.一方,計測機器の導入が難しくなることを想定し,高速カメラを利用したMSC計測装置の開発についても考慮に入れている.先年のSSVEP計測実験により誘発される被験者とされにくい被験者の分類は進んでいるため,速やかな計測と解析を行う準備ができている.また,申請者のみでは計測を行う時間に制限があるため,大学院生に験者として参加を打診し,速やかに計測を完了することを予定している.
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