研究課題/領域番号 |
23K11295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 甲子園大学 |
研究代表者 |
破田野 智美 (竹澤智美) 甲子園大学, 心理学部, 講師 (50425039)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 香り / 印象 / 感情 / 評価 / 可視化 / におい / 感性印象 / 料理 / 評価語 |
研究開始時の研究の概要 |
においがあれば,その感性印象が得られるが,あくまで個人内の体験であるから他者と共有することは難しい。本研究では,食にかかわるおいしいにおいに注目し,料理の専門家の協力を得て尺度を作成したうえで,においの分類,それぞれのにおいの特徴や関係性の可視化を行う。これにより,専門家・一般消費者を問わず,人々の共通言語が得られ,だれもがなんとなく感じていた,おいしい「におい」の心理的な質や量を一目で直感的に把握することが可能となり,においを遠く隔たった場所に届ける技術への応用など,この分野での研究を萌芽,発展させることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では,食にかかわるおいしいにおいに注目し,料理の専門家の協力を得て尺度を作成したうえで,においの分類,それぞれのにおいの特徴や関係性の可視化を行う。この課題に対する本年度の実績はつぎの通りである。 【テーマ1】料理と評価語の収集:食にかかわる調査研究,既存の書籍等から対象とすべきにおいが一般にイメージ可能な料理名,およびにおいの評価語を抽出した。これに加え食への興味,知識を持つ栄養学部の学生に料理名の列挙を求めた。 【テーマ2】においの類似度による料理の分類・マップの構築および選出:栄養学部の学生および一般大学生を対象に,においの似た料理をグルーピングすることを求めた。この分類結果を統計処理し,においの似たグループに料理を分類すると同時に(クラスタ分析・ward法),においの類似度に基づき料理を二次元上にマッピングした(多次元尺度構成法・PROXSCAL)。 【テーマ3】評価語の分類・マップの構築および選出:一般大学生の協力を得て,評定語としてのふさわしさの平均値が基準を超える評価語を選出した。さらに選出された評価語を,フリーソーティング法で意味の似た(言い換え可能な)ことばごとにグルーピングした結果を統計処理し,意味の類似したグループに評価語を分類すると同時に(クラスタ分析・ward法),意味の類似度に基づき評価語を二次元上にマッピングした(多次元尺度構成法・PROXSCAL)。 【テーマ4】料理のにおいの感性印象の可視化:テーマ1・2で選出された料理に対し,テーマ3で選出された評価語へのあてはまりを大学生が評価し,料理の感性印象のマップを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テーマ1については,当初の予定通り先行研究を参照し料理名や評価語を収集することができた。また食にかかわる専門家との情報交換も行っている。料理の専門家複数名を対象とした調査研究は計画の途上にある一方で,栄養学部の大学生を対象にした調査研究を実施した。テーマ3以降については,2024年以降に料理の専門家や一般消費者を対象とした調査を計画しているが,大学生を対象とした予備的調査を終えることができた。以上のことから概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
テーマ1については,引き続き先行研究を探し料理名や評価語を収集する。これと同時に,2023年度に予備的検討ができたため,料理の専門家複数名を対象とした調査研究を実施する。そのうえで料理の専門家を対象に,テーマ2のにおいの類似度による料理の分類・マップの構築および選出を行い,テーマ3以降の本調査へ進みたい。
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