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アミノ酸残基間コンタクトで見るアロステリック効果のメカニズムと進化

研究課題

研究課題/領域番号 23K11313
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

本野 千恵  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80415752)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードアロステリック効果 / タンパク質 / 残基間コンタクト / 進化 / 分子動力学シミュレーション
研究開始時の研究の概要

アロステリック効果は、タンパク質が環境からの合図を認識し、認識部位から離れた部位に反応を引き起こす基本的なメカニズムである。その分子メカニズムは十分に解明されず、相同タンパク質間でのアロステリック効果の保存性の有無も解決されていない。
本研究では、比較的短時間の2つの分子動力学計算結果から、残基間コンタクトを比較して、アロステリック効果を伝える分子内ネットワークを推定する手法を提案する。その手法により、相同なタンパク質のアロステリックネットワークの差異を解析し、保存性の程度や保存のメカニズム(相互作用する残基の共進化、不活性化変異を相補する別のネットワーク形成)を明らかにする。

研究実績の概要

本研究の目的は以下の通りである。①MD計算結果から、残基間コンタクトを比較して、アロステリック効果を伝える分子内ネットワークを推定する手法の提案②多数の相同なタンパク質のアロステリックネットワークの差異を解析し、保存性の程度や保存のメカニズム(相互作用する残基の共進化、不活性化変異を相補する別のネットワーク形成、etc)に統一的な見解が得られるかの考察。
2023年度は、①について、現状のMD計算トラジェクトリ比較ソフトウェアMContactComを用いる手法を、複数の疾患関連変異体タンパク質へ適用して検討した。その結果を国際シンポジウム・第8回ケモインフォマティクス秋の学校のポスターの一部として発表した。手法の精度については実験による検証が必要だが、半数近くで、変異が離れた分子表面へ影響を与える可能性(アロステリー)を検出した。また、現在のMDContactComは、残基番号が揃っているタンパク質間の比較しかできない。相同タンパク質に適用できるように、配列アラインメント機能追加と、それに伴う残基毎の類似度計算部分の見直しを行っているが、進捗はやや遅れており完成に至っていない。
②については、①でMDContactComが相同タンパク質に適用可能になってから実施する。今年度はデータセットの検討を開始した。創薬的に重要である、相同タンパク質の実験データが揃っているという観点から、文献精査と、AlloSteric Database (ASD)の利用で対応している。アロステリック効果を生じさせるアロステリック調節因子として、化合物や核酸などの結合によるデータはASDから選択している。タンパク質のアミノ酸変異によりアロステリック効果が生じるデータは、ASDに含まれないため、文献調査により選択している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「①MD計算トラジェクトリ比較ソフトウェアMDContactComの拡張」に関しては、計画していなかったが必要と判断して、拡張前の段階でのアロステリック効果検出について検証を行った。結果を学会発表に含めたが、その分、ソフトウェアの拡張に関しては進捗が遅れている。
「②アロステリック効果の伝搬経路と進化を残基間コンタクトに基づく解析」は、①でソフトウェア機能を拡張した後に実施する計画である。必要なアロステリックタンパク質のデータセットの準備は可能であるため、前倒しで開始したため、進捗は計画より進んでいる。

今後の研究の推進方策

2024年度は、計画の「①MD計算トラジェクトリ比較ソフトウェアMDContactComの拡張」を完了させる。相同タンパク質に適用できるように、配列アラインメント機能追加と、それに伴う残基毎の類似度計算部分の見直しを予定している。本手法が、どの程度の配列相同性まで対応可能かの検証が重要かつ困難であり、時間を要すると想定している。時間的に厳しい場合は、プログラムのブラッシュアップは、外注で対応することも考える。また、2024年度までに、ソフトウェアの公開と論文発表を行う。
計画の「②アロステリック効果の伝搬経路と進化を残基間コンタクトに基づく解析」は、大量の分子動力学計算に時間がかかるため、①のソフトウェアが完成次第、2024-2025年度で計算する。解析、学会発表を2025年度に行い、論文化を進める予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Search for novel protein functional sites based on the spatial distribution of disease-associated missense variants2023

    • 著者名/発表者名
      Chie Motono, Atsushi Hijikata, Takatsugu Hirokawa, Kenichiro Imai
    • 学会等名
      8th Autumn School of Chemoinformatics in Nara
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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