研究課題/領域番号 |
23K11316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
土井 俊祐 千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (90639072)
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研究分担者 |
山本 知孝 東京大学, 医学部附属病院, 病院教授 (60361490)
永島 里美 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (70869990)
今井 健 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (90401075)
横田 慎一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90599490)
三谷 知広 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70978288)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 医療安全 / 医療データ解析 / 標準化 / HL7 FHIR |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の医療における安全管理には、他の主要産業と異なり中央集中的な監視ができないという大きな課題がある。本研究の目的は、病院内のあらゆるデータをリアルタイムに収集し、患者の安全を脅かす「医療インシデント」を、網羅的に検知・通知する「データ駆動型医療インシデント集中監視システム」を開発し、医療安全の中央集中監視を実現するための方法を提案することである。医療安全の集中監視機構は我が国では実現例はなく、また本研究は他施設への水平展開や新たな医療インシデントへの対策の追加にも柔軟に対応可能であることも特徴である。本研究の実現により我が国の医療機関における医療安全管理を劇的に変革させることに期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、病院内のシステム群に保存されたあらゆるデータをリアルタイムに活用することで、医療機関内でこれまで個別に監視されていたインシデントを、システム横断的・網羅的に検出・通知する「データ駆動型医療インシデント集中監視システム」を開発、医療機関に実装し評価することで、医療安全の中央集中監視を実現するための方法を検討・提案することである。 研究1年目は、集中監視の障壁となっているシステム間のデータ連携や収集に関する課題を解決するため、次世代医療情報通信規格であるHL7 FHIRによるデータ送受信機構のプロトタイプを検討した。具体的には、電子カルテからHL7 FHIR形式でデータを取り出す「FHIRアダプタ」を利用し、データを出力しリアルタイム解析に利用する実験を行った。また、インシデントの検知・通知リストの中央一括監視を行うため、時系列や重要度別にリスト化したインシデントの管理や、インシデントの種類に応じた通知タイミングの管理を行うための操作を統制するモニタリング機構を検討した。具体的には、MongoDBを利用したWeb管理システムを実装し、実際に運用管理ができるかの実現可能性を検討した。また、2年目以降の実装に備え、仮想基盤上にアルゴリズム開発のための実験環境を構築したほか、通知手段についても病院情報システムの環境調査を行うなどの整備を進めた。現時点では運用環境への実装は実現していないが、2年目以降に繋げるための準備は進めることができたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の急な組織異動にともない研究分担者と常に研究環境を共有することが難しくなったこと、また研究代表者がエフォートを十分に避けなかったことから、研究計画と比較してやや進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目は、現時点で研究計画が遅れていることから、分担研究者会議を定期的に実施することで、研究計画で記載した4つの班ごとに研究推進を図る。 アルゴリズム開発班は、1年目に引き続きインシデントの具体的な検知方法とアルゴリズム開発を担当し、治療パターン認識によるオーダの入力漏れ防止等、病院情報システム群が備える安全機構と合わせて全体として網羅的な監視システムを形成できるよう検討を進める。集中監視・通知システム開発班は、検知したインシデントの集中監視と通し、実際に通知機構を備える実装環境を構築する。システム全体開発班は、集中監視・通知システム開発班と協力し、HL7 FHIRによるデータ送受信の環境構築を進める。実証実験・評価班は、システム開発後の評価方法について準備を進める。
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