研究課題/領域番号 |
23K11322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
川原 稔 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (50224829)
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研究分担者 |
佐伯 昌造 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 特定研究員 (80973362)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 深層強化学習 / 視野検査 / 計測アルゴリ ズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では視野検査のの全ての計測の制御を行えるモデルを学習できるフレームワークの確立を行うための基礎研究を行う。最初にフレームワークを確立するために、視野検査のモデルの入出力と被検者の対光反応の不確かさのシミュレーション方法の確立を行う。次に、フレームワークで作成したモデルを視野検査機器に実装し、人の被検者に対して実験を行う。従来の計測アルゴリズムと比較を行い、深層強化学習による視野検査が有用な手段であるかの検討を行う。
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研究実績の概要 |
視野検査は検査の性質上、長時間の計測は計測結果の信頼性を損なうことになるため、短時間で高精度に視野検査を行うことが重要である。視野欠損のパターンは多様なパターンがあり、計測座標間の関係性を合理的に定めることは困難である。そのため、本研究では深層強化学習によって計測座標間の関係性をデータドリブンに獲得する計測アルゴリズムの研究開発を行い、視野検査を短時間で高精度に行うことを目的としている。最初にフレームワークを確立するために、視野検査のモデルの入出力と被検者の対光反応の不確かさのシミュレーション方法の確立を行っている。次に、フレームワークで作成したモデルを視野検査機器に実装し、人の被検者に対して実験を行っている。従来の計測アルゴリズムと比較を行い、深層強化学習による視野検査が有用な手段であるかの検討を行っている。 本研究の目的は深層強化学習による視野検査の全ての計測の制御を行えるモデルを学習できるフレームワークを確立し、検査の高速化と高精度化を行うことである。フレームワークの確立には2 つの課題がある。1 つ目は、視野検査を行うモデルでどのように視野検査の情報を観測し、次の計測情報を推論するかである。2 つ目は、被検者の反応の不確かさのシミュレーション方法を確立しロバスト性を確保することである。本研究の深層強化学習では、視野検査の被検者の対光反応をシミュレーションが必要不可欠であり、学習段階から反応の不確かさをシミュレーションする方法を考案する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視野の欠損パターンは疾患によりパターンが異なり、従来の手法では十分に計測座標間の関係性を考慮できていない。そのため、本研究では強化学習とニューラルネットワークを用いる手法を扱う。最初に深層強化学習による視野検査を制御するモデルを学習できるフレームワークの確立を行う。本研究では、深層強化学習で得られるモデル単体で視野検査の全ての計測を単体で行うために次のような入出力をもったモデルを考える。モデルの入力は各計測座標の計測履歴とし、出力は計測座標と計測感度の組合せの中で次に計測するものの確率とする。ここで、各計測座標の計測履歴とは、計測された計測感度とその光に対する被検者の反応の情報である。計測座標と計測感度の組合せは、視野検査で検査を行う際に計測できるパターン数に対応する。例えば、計測座標が54 点で計測感度のパターンが41 パターンの場合、計測座標と計測感度の組合せは2,214個になり、それらの確率が出力となり現在検討を続けている。さらに、計測座標間の関係性を考慮するために、Transformer の構造を持ったニューラルネットワークの利用法を考案している。
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今後の研究の推進方策 |
深層強化学習を行うために、視野検査のシミュレーションが必要不可欠である。シミュレーションでは、上記の視野検査のモデルが判断した座標と感度に対して、実際の視野検査の結果のデータから、被検者の反応をシミュレーションする。本研究の深層強化学習でのシミュレーションでは、各被検者に対してある分布にしたがって偽陽性率と偽陰性率を割り当てる。このように割り当てることによって、同じ網膜感度を持つ被検者でも多様なシミュレーションが可能となり、学習段階から反応の不確かさをシミュレーションしていくこととする。
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