研究課題/領域番号 |
23K11330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古川 宏 筑波大学, システム情報系, 准教授 (90311597)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 歩行者ナビゲーション / 高齢者 / 個人適応 / 心情推定 / 心拍変動データ |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者向けの安心・快適な歩行者ナビの実現のため、階段、人込み、専用歩道、公園などに対する身体的困難さ、安心感、嗜好に配慮した経路の探索手法を開発している。各経路要因に対する良し悪し(評価)は個人ごとに大きく異なることがわかっており、個々のユーザに適したモデルを構築する必要がある。 そこで、個々の心拍変動データ等に基づいて各ユーザによる経路要因への評価を推定する手法と、この推定評価値に基づいた調整による各ユーザ専用モデルの作成手法を開発する。この実現により、ユーザは評価作業をさほど意識せずに、自分にあった経路提供サービスを受けることが可能となる。
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研究実績の概要 |
高齢者のQOL向上に役立つ歩行者ナビの実現に向け、経路上の環境要因に対する身体的困難さ、心的脆弱性、安心感、嗜好を定量的に考慮したモデル(環境要因コストモデル)を用いた経路探索法を開発している。本研究では、多様な個人差への対応を課題として、1)心拍変動データなどリアルモニタリングを用いた“各ユーザの環境要因に対する主観的評価”の自動推定手法と、2)“環境要因に対する主観的評価”に基づく個別コストモデルの適応的調整法を開発する。本年度は、以下の2つの研究に取り組んだ。 1.「A.“各ユーザの環境要因に対する主観的評価値”の推定手法の開発」:経路内の各要因沿いを歩行するユーザの安心感、不安、好感度等の主観的評価情報を心拍変動データなどに基づいて推定する機構の開発に取り組んだ。実験では、高齢者に心拍数、歩行速度、皮膚温、皮膚電気活動の測定センサを装着し、対象要因を含む経路を歩行していただく。歩行後に各要因に対する主観的評価を報告してもらう。センサデータより抽出した特徴量を用いた機械学習モデルを構築することで、主観的評価値の推定能力を確認した。身体的負荷が高い箇所では生体情報に基づく特徴量が、身体的負荷の低い箇所では歩行速度と皮膚電気反応に基づく特徴量が有用であることがわかった。また各条件において、適切なモデル種が異なることも確認できた。 2.「B. 実地実験に用いる歩行者ナビ・プロトタイプシステムの構築」:提案手法に基づく歩行者ナビシステムの有用性評価と手法改善のため、プロトタイプシステムの構築を進めている。本年度は歩行者ナビ用サーバの構築を対象とし、GPS情報と環境要因に対する主観的評価結果に基づいた経路探索機構をGISシステムに組み込んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度実施予定であった「A.“各ユーザの環境要因に対する主観的評価値”の推定手法の開発」および「B. 実地実験に用いる歩行者ナビ・プロトタイプシステムの構築」について: 1.Aは予定通り完了した。提供経路に対する個々の利用者の評価値を推定する機構は、“心拍変動データなどからの特徴量抽出機能”、“提供経路と実歩行経路と差の収集機能”、“ユーザの挙動データ取得機能”、そして“取得データに基づくユーザの主観的評価推定機能”とからなる。高齢者による歩行実験よりデータを収集し、これに基づいて環境要因に対するユーザの心情を推定する機械学習モデルを獲得した。 2.Bは予定通りに完了した。本年度予定のGISシステムに基づく歩行者ナビ用サーバを構築した。
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今後の研究の推進方策 |
1.「B. 実地実験に用いる歩行者ナビ・プロトタイプシステムの構築」(~R6前期):提案する経路探索法を用いた経路誘導、利用者が経路を変更した際の再探索などの機能を組み込む。また、ユーザインタフェースとなる携帯端末システムの構築を行う。 2.「C. 個別ユーザへの適応のためのモデル調整手法の構築」(R6前期~R7前期):取得した各ユーザの情報を用いて身体的負荷、安心感、嗜好などの各評価関数のパラメータを変更することで、個人適応を実現する。設計した機構を組み込んだプロトタイプシステムを用いて、実験参加者による長期の日常利用実験を実施する。長期にわたる利用において、主観評価推定機構、主観評価用インタフェース、歩行挙動情報の取得法、避難時情報の取得方策、モデル調整ルール等の評価と改善を実施する。 3.「D. 実用システムに必要となる基本仕様の策定」(R7後期):利用者に安心で快適なナビ支援サービスの提供を実現するため、提案システムの構築過程で生じた技術的課題、実験参加者による利用の観測結果、および実験参加者による主観的評価結果から、現在の最新機材の能力・制約を考慮することで、実用システムに要求される技術的要件や解決すべき技術課題を確認し、基本となる仕様の策定を行う。
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