研究課題/領域番号 |
23K11331
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木野 泰伸 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (00400630)
|
研究分担者 |
三好 きよみ 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (00845266)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | テキストマイニング / 質的研究法 / モデル化 / 概念モデル |
研究開始時の研究の概要 |
企業における情報システム開発や新製品開発プロジェクトでは,顧客が持つニーズを的確に把握することが成功の鍵となる.しかし実際は,顧客自身がニーズを漠然としか把握できていない場合が少なくない.そのような顧客自身の漠然とした意識の中から,インタビューを通じてニーズとなる要素を抽出し,誰もが明確に認識できる概念図を作成することが重要となる.本研究では,顧客のニーズを,テキストマイニングおよびソフトウェアモデル化技法を用いて,構造図として可視化するための明確な手順と,その裏付けとなる理論をメソドロジーとして構築する.
|
研究実績の概要 |
企業における情報システム開発や新製品開発プロジェクトでは,顧客が持つニーズを的確に把握することが成功の鍵となる.しかし実際のプロジェクトでは,顧客自身がニーズを漠然とした状態でしか把握できていない場合が多い.そのような漠然とした意識をとらえる方法として,本研究では,テキストマイニングおよびソフトウェアモデル化技法を用いて,構造図として可視化するための明確な手順と,その裏付けとなる理論をメソドロジーとして構築することを目的としている. 初年度は,過去に取得したインタビューの書き起こしデータをもとに,テキストマイニングを用いて分析を進めた.構造図の作成においては,UML(Unified Modeling Language)のクラス図を参考にして作業を実施した.その結果,クラス図を作成するための方法の道筋が見えてきたとともに,新たな課題点も浮かびあがってきた.その内容を第14回横幹連合コンファレンスにて発表した.(木野泰伸,黒木弘司,川﨑将男,漠然とした要求からの結果図作成,第14回横幹連合コンファレンス,2023年12月16-17日.) ところで,当初の研究計画にはなかったが,近年,生成AIの進展が著しい.本研究では,テキストマイニングを用いて構造図を作成することを目指しているが,同様のことが,生成AIでも実施できる可能性が出てきた.そこで,初年度の後半より,テキストマイニングから構造図を作成することにより得られた知見から,生成AIを用いて構造図を作成するためのチャレンジを開始した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,最終目標として,インタビューの書き起こしデータをもとにテキストマイニングの手法を用いて,概念図を作成する手順を明確化することである. その目標に向けて,初年度は,インタビューの書き起こしデータをもとに,テキスト分析を実施し,クラス図を参考にした構造図の作成を試行した.実施した手順は,①形態素解析を実施する,②抽出された単語(名詞)の中にある登場人物や組織,場所などを表す単語を目検で抽出する,③それらの単語の意味を手掛かりに,類似の意味のものを集めて集約し,小さなシソーラス辞書を作成する,④シソーラス辞書をもとに,関連語を抽出しリスト化する,⑤関連語リストの名詞の中から,クラスのアトリビュートとなる単語を抽出する,⑥関連語リストの動詞,サ変名詞,形容詞,名詞等の中から,メソッドに相当するものを抽出する,⑦それらを図として配置する,となった. この手順によりインタビューの書き起こしから構造図としてのクラス図を作成することができた.それと同時に,アトリビュートやメソッドに相当するものが,必ずしも想定していた品詞として抽出されているわけではないという課題も明らかになった. 上記内容から,おおむね順調に進展していると考えている.
|
今後の研究の推進方策 |
初年度は,テキストマイニングを持ちいて,クラス図を参考とした構造図を作成することができた.ところで,社会では,生成AIの技術進歩が著しい.本研究では,テキストマイニングを用いた構造図の作成を目指してきたが,同様のことが,生成AIを用いて実施できる可能性が出てきた.そこで,本年度は,さらに研究を進めるために,次の4つの視点から取り組みを進めている.①前年度と同様に,クラス図もしくはER図を参考にした構造図の作成,②状態の移り変わりに着目した状態遷移図を参考にした構造図の作成,③ファンクションと判断を主体としたフローチャートを参考にした構造図の作成,④テキストマイニングではなく,生成AIを用いた構造図(前述の3種類)の作成. 以上により,研究を実りあるものとして推進する.
|