研究課題/領域番号 |
23K11368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
嶋田 和孝 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50346863)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マルチモーダル / 議論評価 / 自然言語処理 / グループディスカッション |
研究開始時の研究の概要 |
コロナ禍において,討論や議論は対面のみならず,遠隔でも行われるようになった.これまでの研究では対面環境下での議論を扱うものが多い.しかし,対面と遠隔が混在したハイブリッドな環境では,対面による議論では生じない議論の困難さがあり,これまでの分析手法や要素技術を単純に適用できない.つまり,ハイブリッド環境下ではこれまでとは異なるコミュニケーションの分析やサポートが必要である.本申請課題では,ハイブリットな環境下での議論の支援を行うシステムを構築することを目的とする.加えて,ハイブリッド環境下における議論評価システムの構築も試み,支援と評価をシームレスなサイクルとして繋ぐシステムの構築を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的はハイブリッド環境下における複数人議論の支援と評価の枠組みを確立することである.我々の過去の対面環境下における議論分析の知見を有効利用し,ハイブリッドな議論環境におけるハイブリッドな視点でのファシリテーションを実現することを目指す.令和5年度は以下のような研究を行った. (a) 議論評価におけるLarge Language Models (LLM) の利用と評価:近年台頭しているLLMを議論評価の枠組みに取り入れ,その有効性を検証した.具体的にはBERTを利用して,議論評価を行う手法の有効性を検証した.対象が対話であるという特性を考慮し,対話に特化したDialogXLと呼ばれるモデルとのハイブリッド化を図った.さらに議論評価では学習に使えるデータが十分ではないという問題を踏まえ,GPT-4を利用したデータ拡充の有効性も検証した.本項に関わる内容は,電子情報通信学会・九州支部学生会講演会やNLC研究会で発表された. (b) 要約におけるLLMの問題の改善:LLMによる文書要約ではハルシネーションと呼ばれる原文には存在しない情報を生成してしまう問題がある.ハルシネーションを抑制もしくは検知するためには,それ用の学習データが必要になる.そこで,事実性が損なわれたデータセットを新たに自動生成し,事実性判断モデルへの有効性を検証した.本項に関わる内容は電子情報通信学会・九州支部学生会講演会で発表された. (c) マスク環境下での発話区間推定:コロナ禍を経て,マスクを着用したまま議論を行う場面も多くなった.そこで,マスクをした状態でも誰が発話しているかを推定する手法について検討した.具体的には,マスクに生じる陰影情報とマイクからの音声情報の両方を用いた発話区間推定手法を提案し,火の国情報シンポジウムで研究発表をした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍以降およびハイブリット環境下における課題について(例えばマスクを付けたままの議論の場),実験的に検証できており,順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
ハイブリット環境下で生じる視線検出の問題など,よりハイブリット環境下の議論に関連した問題に対して取り組んでいく予定ある.また,LLMを利用したデータ拡充やLLMを用いた場合に重要となるFew-Shot事例の選出などについて,深い考察を行う必要がある.
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