研究課題/領域番号 |
23K11374
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
|
研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
倉光 君郎 日本女子大学, 理学部, 教授 (30323504)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 大規模言語モデル / 教育用AI / コーパス作成 / クラスルーム実践 / 次世代AI教育 / AIの教育応用 / 対話型プログラミング支援 / 学習理解度の分析 / 学習支援コーパスの構築 |
研究開始時の研究の概要 |
Pythonは、シンプルな文法で学びやすく、データサイエンスの学習などでも広く教育に活用されている。しかし、Pythonは英語で専門用語も多く、エラーメッセージが読めず、つまずく学生も多い。本研究では、大規模言語生成モデルを応用することで、エラーメッセージを日本語で解説し、逆に日本語で意図を述べたらコードを提示する学習支援 AIの実現である。Google Colab などのデータサイエンス学習環境とシームレースに統合し、教員やTAの代わりに質問応答やアドバイスを行える対話型支援システムとして提供する。教員不足や地域格差を解消し、データサイエンス分野の高度デジタル人材育成に役立てゆきたい。
|
研究実績の概要 |
Pythonは、シンプルな文法で学びやすく、海外の大学ではデータサイエンスの学習でも広く活用されている。しかし、Python自体は海外コミュニティで開発されているため、英語が得意でなければ、エラーメッセージが読めず、つまずく学生も多い。本研究は、このようなつまずきを単なる英語力の問題と捉えず、大規模言語モデルを活用して言語理解のギャップを支援することを目的とする。 我々は、OpenAI社が提供する大規模言語生成モデル(GPT3.5)を活用することで、エラーメッセージを日本語で解説し、逆に日本語で意図を述べたらコードを提示するような学習支援システムKOGIを開発した。KOGIは、Google Colab 上で演習環境とシームレスに提供され、Python プログラミング、データサイエンスや機械学習の講義において、教員やTAの代わりに質問応答やアドバイスを行える対話システムとして運用が始まった。また、運用を通して、学生たちからのフィードバックを得ることで、AI時代のプログラミングに必要な技能に関する新たな知見も深まった。 KOGIは、国立情報学研究所主催教委機関DXシンポジウム、私立大学情報教育協会主催ICT利用による教育改善研究発表会、サイエンティフィック・システム研究会(SS研)主催情報教育シンポジウム、情報処理学会 コンピュータと教育研究会(CE) 情報教育シンポジウム2023(SSS2023)、ACM主催 SPLASH-E シンポジウム、大学ICT推進協議会 2023年度 年次大会教育技術開発部会企画セッション「生成系AIを教育に活かすには」の講演でデモンストレーションを行い、内外に教育関係者に広く公開された。 今後は、独自の教育用大規模言語モデルの開発手法、大規模言語モデルを活用した新しい教材やカリキュラムの開発など視点を広げて進める計画である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年11月にOpen AI社からGPT3.5が発表され、当初の研究計画で想定していた性能を大きく上回る教育AIの提供が可能になった。計画より早くクラスルームにおいて運用が可能になり、研究上有益なフィードバックが得られたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、OpenAI 社の大規模言語モデル(GPT3.5)に依存しない大規模言語モデルの開発を進める予定である。そのために、情報教育からソフトウェア工学教育まで含めた、教育ドメインコーパスによるカスタマイズ、独自のインストラクションデータの構築、コーパス開発基盤、教育機関で安心して利用可能な透明性と安全性について検討を深めていく予定である。 加えて、大規模言語モデルを活用した新しい教材やカリキュラムの開発も進めていきたい。
|