研究課題/領域番号 |
23K11378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
椎名 広光 岡山理科大学, 情報理工学部, 教授 (40299178)
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研究分担者 |
保森 智彦 岡山理科大学, 教育学部, 准教授 (80847674)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 省察活動補助 / 深層学習 / 大規模言語モデル / 対話モデル / 対話生成 / 対話の影響度 / 授業分析 / 自然言語処理応用 / 発話生成 |
研究開始時の研究の概要 |
小学校では、「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業が目指されており、その一つとして、教材の内容と指導方針と児童の理解についての複合的な知識であるPCK(教授学的知識)をベースとした省察による授業発話分析について提案されている。省察活動では、教員が短時間で客観的で理解しやすいことが必要で、授業の発話分類や映像分析システムの開発が望まれる。本研究では、自然言語処理の中の先進的な手法であるニューラルネットワークを用いた対話モデルを新たに構築することで、授業における教員の発話分析や発話の補助を行う。また、発話の傾向の分析や可視化することで、多忙な教員にとって分かりやすいシステムの構築を行う。
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研究実績の概要 |
小学校では、「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業が目指されており、その一つとして、教材の内容と指導方針と児童の理解についての複合的な知識であるPCK(教授学的知識)をベースとした省察による授業発話分析について提案されている。省察活動では、教員が短時間で客観的で理解しやすいことが必要で、授業の発話分類や映像分析システムの開発が望まれる。 本研究では、自然言語処理の中の先進的な手法であるニューラルネットワークを用いた対話モデルを新たに構築することで、授業における教員の発話分析や発話の補助を行うことと、発話の傾向の分析や可視化することで、多忙な教員にとって分かりやすいシステムの構築を目指している。本研究課題の1年目は、次の項目について研究を行った。 (1)小学校の授業における教師の発話について、対話分析や対話生成を対象に開発されたGVTを拡張したモデル(GVTSC)による分析や大規模言語モデルを利用して、教員の発話と児童の発話を対話とみなして対話分析を行った。対話分析では、教員の発話のうち、埋め込み表現の類似性を用いて、主体的学びや対話的な活動を促す発話を抽出した。また、TrasfomerモデルのAttentionを用いることで、教員の発話の影響度を測ること手法を提案した。 (2)同じ授業シーンでの教員の発話を熟達した教員に置き換えるシミュレーションを大規模言語モデルの生成AIを用いることで実施した。発話シミュレーションから熟達した教員の発話へのアドバイスの自動生成を行う予定であるが、発話生成や学習に調整が必要である状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校の授業における教員の発話の分類については、授業を対話とみなし、対話の文脈における教員の発話の埋め込みベクトルを作成することで発話の分類を行った。教員が児童への働きかけに関する分類が可能となったと考えている。また、埋め込みベクトルの生成については、本研究で提案しているGVTモデルを拡張した方法と、大規模言語モデルを利用する方法について確認した。これらについては、学会での研究発表を行っている。 分類の可視化については、実践的評価として教員へのフィードバックに利用することができた。分析事例を積み重ねることが今後の課題である。 また、新任教員へのアドバスの自動生成のために、別教員の発話シミュレーションを行っており、アドバイスを生成させるための土台ができたと考えている。発話シミュレーションについては、学会で発表を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の推進方策として、次の3つの項目を想定している。 (1)小学校の授業における教員の発話の分類については、授業を対話とみなし、対話の文脈における教員の発話の埋め込みベクトルを作成することで発話の分類を行った。埋め込みベクトルの生成については、本研究で提案しているGVTモデルを拡張した方法と、大規模言語モデルを利用する方法について確認している。また、分類の可視化についても来ない、実践として教員へのフィードバックに利用することができた。分析事例を積み重ねることが今後の課題である。 (2)若手教員の授業中の発話を熟達教員によるシミュレーションについては、データの収集を積み重ねることと少ないデータを有効的に学習できるような学習モデルのチューニングを予定している。また、2つの発話の違いを比較し、若手教員へのアドバスの生成を検討している。加えて、また、若手教員の発話から作られる埋め込みベクトルと熟達教員によるシミュレーションによる発話の埋め込みベクトルを比較し、分類や違いを埋めるための発話やキーワードの生成について開発を行う。 (3)教員の発言の児童への影響の測定については、TrasfomerにおけるAttetionを利用しているが、Attentionの機構を階層的に配置することで、影響の範囲を広くとれるような改善を行う。
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