研究課題/領域番号 |
23K11379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水谷 哲也 筑波大学, システム情報系, 講師 (70209758)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 音楽情報学 / 演奏表情モデル / クラシック音楽 / 人工知能 / スタイル変換 / 調性的緊張モデル / 調性的音楽理論 / 暗意実現モデル / クラッシック音楽 / 演奏表情生成 / 演奏表情抽出 |
研究開始時の研究の概要 |
表情豊かな音楽演奏の解析および生成という研究テーマに関して,演奏表情モデルの構築を目標とする. 楽曲構造を中心とした楽譜情報から演奏表情の傾向を抽出するシステムの開発および実際の演奏表情モデルの構築を行う. 演奏表情の生成および演奏表情モデルの確立に当たっては,人工知能的アプローチを使用するものの,各種パラメタの説明可能性を重点的に解析する.これにより音楽理論的にも数理的に明快な演奏表情モデルが構築できるものと考える. クラシック音楽は一般には調性音楽(Tonal Music)の一種として考えられているため,広く調性音楽一般についても演奏データの抽出および演奏モデルの構築について研究を進める.
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研究実績の概要 |
本研究課題は主にクラシックのピアノ楽曲を対象に,演奏表情の抽出および楽曲構造および表情記号と実際の演奏との関係を,多数の実演奏をもとに統計的手法や機械学習の手法などに基づいて解析し,表情豊かな演奏生成のためのモデルの確立を目指すものである.令和5年度は,スタイル変換を用いた演奏表情の解析,調性的緊張モデルを用いた演奏表情の解析手法の発展,さらにクラシック楽曲の解析に用いられる調性音楽理論のジャズ音楽への応用という3分野で研究を行った. スタイル変換とは近年の人工知能の応用で用いられる手法であり,画像に関する画風の研究に用いられるほか,音楽においては主に作曲家の作風の模倣や変換において用いられているが,演奏表情への適用の研究は行われていなかった.音楽理論の一つである暗意実現モデルを用いることによりスタイル変換の精度を向上させる手法を考案した.その結果,スタイル変換と暗意実現モデルが解析に有用であることが示された. 調性的緊張モデルは,分析の精度は高いが高度の音楽知識を必要となる階層緊張値に代替する手法としてより簡易に計算ができる連続緊張値に着目した.パラメータに重み付けを行うことにより,分析の精度を向上させることに成功した. 調性的音楽理論のジャズ音楽への応用では,既存の理論をさらに発展させ,ジャズ音楽の調解析を自動で行うための検討を行った.特に,和音間距離を再定義した和音間距離をもとにした和声進行に対する調推定を行い,ある程度の精度を向上させることができた. これらの結果はともに国際会議The 7th International Conference on Computer Science and Application Engineering (CSAE 2023)で公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた通り,演奏表情モデル構築のための理論的基盤が確立されつつある.クラシック楽曲を対象として行われた研究がクラシック以外のジャンルの楽曲にも適用できることが示されたことは予定以上の成果である. 当初計画していた,波形データとして存在する種々の楽曲データを解析してオンセットなどの情報を入手するという実験は未着手であるが,計画は順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
調性的音楽理論自体の研究をさらに行う必要がある.特に楽譜データから楽曲構造を自動的に抽出する方法はすでに全世界的に行われているが,いまだ困難な点が残るため,できるだけ改善をする. また,演奏の波形データを入力として和声進行を自動抽出することも,演奏表情の解析のための重要な側面であると考えられるため,この方面についても研究を進める.
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