研究課題/領域番号 |
23K11384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
大谷 紀子 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (70328566)
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研究分担者 |
岡部 大介 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (40345468)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自動作曲 / 進化計算アルゴリズム / 感性モデル / ルーティンワーク / インターバル速歩 / コーヒー抽出 / はみがき / カップスープ |
研究開始時の研究の概要 |
日常生活で繰り返されるルーティンワークには,退屈さや煩わしさ,手順と時間の制御の難しさが原因で理想的に遂行できない作業がある.作業に愉しさが加わると,待ち時間や単純操作の繰返しを苦に思わなくなり,結果として作業の質が向上する.本研究では,日常生活におけるルーティンワークをより愉しく適切に遂行するための楽曲の提供を目的として,ユーザの感性に即し,理想的な作業を誘導するような作業用楽曲を自動生成するシステムを構築する.人工物と人とのインタラクション分析を実施することで理想的な作業と理想的でない作業における動作の違いを明確にし,理想的に動作するための楽曲の特徴を獲得して,楽曲生成時の評価指標とする.
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研究実績の概要 |
日常生活におけるルーティンワークとして,インターバル速歩,コーヒー抽出,はみがき,カップスープ作りを取り上げ,研究を進めた. インターバル速歩に関しては,ウォーキング時の楽しさと運動効率を向上させることを目的として,「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を自然に繰り返せる楽曲の生成方法を検討し,評価実験における実験参加者の心拍の変動や主観評価を分析して,認知科学会にて成果を発表した. また,理想の行動が決まっている場合の自動作曲の枠組みを検討した.提案する枠組みでは,理想の行動を撮影した動画をアノテーションツールで分析し,動きの特徴に応じて全体の行動を部分に分割するとともに,各部分に対応する曲の特徴を決定して,自動作曲システムにより各部分のフレーズを生成する.コーヒー抽出に関しては,コーヒーソムリエの資格を持つ熟達者がコーヒーをドリップする様子に基づいて楽曲の構成を決定し,楽曲を生成して評価実験を行った結果,初心者でもコーヒー成分がより適切に抽出できることが確認された.この成果を人工知能学会全国大会で発表するとともに,CMMRのデモセッションで実演したところ,来場者に好評を博した.同様の枠組みで,はみがきとカップスープ作りに関して,メーカーがインターネットで提供している動画に基づいて楽曲を生成したところ,評価実験である程度の効果が確認された.はみがきについては,情報科学技術フォーラムにて成果を発表している. さらに,自動作曲手法自体について,メロディと和音進行の生成手法についてあらためて全体の処理手順をまとめ,アーティストとの子守唄生成に適用した結果をCMMRにて発表した. 加えて,自動作曲のデモシステムのインタフェースを改良し,日本AI音楽学会フォーラムにおいて来場者に体験していただいた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書には,2023年度の研究実施計画として,インターバル速歩に関する評価実験結果の精査,コーヒー抽出,はみがき,カップスープ作り,およびアイロンがけを対象とする楽曲の生成手法の検討を記載した.アイロンがけを手がけることはできなかったが,その分,他の作業について研究成果を上げることができた.特に,コーヒー抽出に関しては国際会議でのデモにおいて好評を得ることができた. 以上より,総合的にはおおむね順調であると判断される.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,特にコーヒー抽出に焦点を当て,そのときの気分に合った自分好みの味に仕上げるための楽曲の生成方法を検討するとともに,理想の行動が決まっている場合の自動作曲の枠組みを確立していく.この枠組みにおいて,労力面で最も問題となるのは,理想の行動を撮影した動画をアノテーションツールで分析する部分であるため,動画に自動で注釈を付ける方法についても検討を始める.また,自動作曲手法自体について,メロディに対してより自然な和音進行が付与されるように改変する.
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