研究課題/領域番号 |
23K11389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
國頭 恭 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (90304659)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 土壌酵素 / 温暖化 / 地球温暖化 / 炭素 / 土壌有機物 |
研究開始時の研究の概要 |
野外での土壌温暖化操作研究のメタ分析にもとづくと、温暖化により、難分解性有機物であるリグニンおよび腐植物質を分解する酵素リグニナーゼの生産量が増加することが示されている。その結果、本来は長期間残存するはずの難分解性有機物が減少する。このメカニズムとして「①炭素欠乏仮説」と「②窒素欠乏仮説」が提案されているが、これまでその妥当性は検証されていない。申請者はこれらの仮説に加え、新たに「③リグニナーゼ生産菌優占仮説」と「④基質親和性仮説」を立てた。本研究では室内培養実験をおこない、これらの仮説を検証する。
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研究実績の概要 |
黒ボク土を対象に,コントロール区,セルロース添加区,グルコース添加区,窒素添加区を設定した.それらの土壌を23℃と33℃で40日間と80日間培養した後,全ての試料を23℃と33℃で,9段階の基質濃度で、セルロース分解に関わるβ-グルコシダーゼ活性を測定した.これらの結果をミカエリス・メンテン式にあてはめ,VmaxとKmを算出した. 33℃で80日間培養後のコントロール区のKm値は、23℃で80日間培養したコントロール区よりも低い値を示した.この結果は高温への適応あるいは炭素欠乏の可能性が考えられていたが,セルロース添加区ではKmの低下は見られなかったことから,炭素欠乏により生じた可能性が高い. 通常,酵素は測定温度が高いほど,Vmaxは高くなる。それと一致して、33℃で土壌を培養したコントロール区の場合,40日培養後のVmaxは23℃測定より33℃測定で大幅に上昇したが,80日間培養では両測定温度のVmaxは同等であった.同様の傾向はセルロース添加区でも見られた.酵素の温度適応には構造を安定化させるために固くなり,測定温度が上昇してもVmaxがあまり増加しないことが知られている.このため, 80日間培養で高温に適応したBGが多く生産された可能性がある. グルコース添加区では、33℃培養では40日間培養でVmaxが減少しており、これは酵素活性が上昇したことで炭素源を使い果たし、微生物が減少した影響であると考えられる。また、グルコース添加区のVmaxはセルロース添加区のVmaxよりも低くなっており、これはグルコースがBGの対象の基質でないことが原因と考えられる。 今回の温度適応の実験では、酵素の適応のみでなく、炭素源の消費やその酵素の基質であるかどうかも影響し、それらについても留意する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験量が多いため試料数は少なめであるが、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、リグニン分解に関わる酵素の高温適応について実験を進める予定である。
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