研究課題/領域番号 |
23K11397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
鄭 峻介 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40710661)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 樹木年輪 / 脆弱性 / 北半球高緯度域 / 気候変動 / 極端気象 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化に伴い干ばつ・豪雨の規模・頻度が増加している。干ばつ・豪雨は森林の樹木衰弱・枯死を引き起こし、森林の構造・機能を大きく変える恐れがある。本研究では、地球温暖化の影響を大きく受ける北半球高緯度域を対象として、過去の干ばつ・豪雨に対する樹木脆弱性の時空間変動を樹木年輪生態学的手法により評価する。その評価を基に、地球システムモデルによる将来の気候変動予測を加味し、干ばつ・豪雨による将来の樹木衰弱・枯死リスクを推定・地図化する。地図化することで、国の林業・環境政策の行政者などが、より直感的に理解しやすい形で、リスクの時空間分布・地理学的特性が明らかになることが期待される。
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研究実績の概要 |
北半球高緯度域(北緯50°以北)における極端な少雨・大雨イベントに対する樹木応答・脆弱性を評価する第一歩として、観測ベースの降水量時系列データ(Climate Research Unit 0.5°月平均グリッドデータ)と樹木年輪国際データベース(International Tree-Ring Data Bank)に登録されている1700強のサイトにおける樹木年輪幅時系列データを活用して、過去に観測される極端な少雨・大雨イベントと樹木成長量減少イベント(サイト内の70%以上の個体の成長量が過去5年間の平均成長量から30%以上減少した年)の対応関係を調べた。 過去に観測される季節ごとの極端な少雨・大雨イベントは、観測ベースの降水量時系列データを用いて、過去120年間の平均値からの外れ具合(>2σ)で検出した。また、樹木年輪国際データベースに登録されている樹木年輪幅時系列データから過去の成長量変動を復元し、サイトごとに過去120年間における樹木成長量減少イベントを検出した。 極端な少雨・大雨イベントの観測頻度は北半球高緯度域において大きな空間変動を示し、その変動パターンは対象とする季節によっても大きく異なっていた。夏季の極端な少雨・大雨イベントに対応した樹木成長量減少イベントの観測頻度が高かったが、夏季以外の季節の極端な少雨・大雨イベントに対応する樹木成長量減少イベントも多くのサイトで観測されることが分かった。また、極端な大雨イベントに対応した樹木成長量減少イベントの観測頻度については事前の想定よりも高く、極端な少雨のみならず、極端な大雨の影響も北半球高緯度域の樹木動態把握に必要不可欠であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は研究が概ね順調に進展したと考えている。当初計画で示した、過去120年間の観測ベースの降水量時系列データ(Climate Research Unit 0.5°月平均グリッドデータ)を用いて、北半球高緯度域(北緯50°以北)における過去の極端な少雨・大雨イベントの時空間変動を整理するとともに、それらに対応した樹木成長量減少イベント(サイト内の70%以上の個体の成長量が過去5年間の平均成長量から30%以上減少した年)の抽出まで実施することができた。計画していた学会等での成果発表は達成できなかったが、次年度に実施する目途が立っている。
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今後の研究の推進方策 |
北半球高緯度域(北緯50°以北)における過去の極端な少雨・大雨イベントに対する樹木応答・脆弱性を評価する。具体的には、樹木年輪国際データベース(International Tree-Ring Data Bank)に登録されている1700強のサイトにおける樹木年輪幅時系列データから、極端な少雨・大雨イベントに対応した樹木成長量減少イベント時の抵抗(イベント時の成長量/イベント前5年間の平均成長量)・回復(イベント後5年間の平均成長量/イベント時の成長量)・回復力(イベント時の減少量で重みづけしたイベント前後5年間の平均成長量比)の各種パラメータ値を推定する。それらパラメータ値を指標とすることで、極端な少雨・大雨イベントに対する樹木応答・脆弱性の時空間変動を明らかにする。特に、回復力に着目し、回復力が低い個体の割合の多いサイト・地域を明らかにするとともに、その時間変化についても明らかにする(回復力が低い個体の割合が増えている/減っている)。回復力が低い、もしくはそれが減少傾向にあるサイト・地域に関しては、抵抗・回復のどちらがその要因となっているのかを明らかにし、極端な少雨・大雨イベントに対する樹木応答メカニズムの理解を深める。
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