研究課題/領域番号 |
23K11402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
紺屋 恵子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(北極環境変動総合研究センター), 研究員 (70506419)
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研究分担者 |
佐藤 洋太 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(北極環境変動総合研究センター), ポストドクトラル研究員 (80978825)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヒマラヤ / 氷河 / 流出 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒマラヤは、温暖化による氷河縮小が急速に進んでおり、世界でも有数の人口密集地域でもあるため、生活用水として利用されている河川の流量への、温暖化の影響が懸念されている。これまで、氷河変動の実態を把握するための研究は、リモートセンシングが主流であったが、ヒマラヤでは多くの氷河がデブリ(岩屑)に覆われているため、精度の点で大きな問題が残る。特にヒマラヤ西部では研究例が少ない。また山岳地域であるため、高い空間的解像度が求められる。本研究では、観測に基づく氷河上デブリの厚さ分布および領域気候モデルによる高解像度の気象データセットを入力データとして、ヒマラヤ西部氷河域を含む山岳域からの流出量の推定を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度はヒマラヤ西部現地における氷河を含む山岳地からの河川流出量変動を推定するための予備観測および数値モデル(流出モデル)による予備計算を実施した。 現地での予備観測においては、地温、気温、相対湿度、風速のセンサーを設置した。設置日は夏の早い時期を予定していたが、現地での災害のため到達できなかったため、時期を遅らせた。結果的に9月に設置することができた。自動観測のため、一冬を越した2024年度夏時点でのデータ回収を目指している。 予備計算については、現地のデータが入手できなかったため、ダウンロードした再解析データを使用した仮計算を行った。計算結果は予想に近い値を示し、今後のモデル計算を進めることができることを確認した。今後、実測に近い値に入力データを変えて、より現実的な設定での計算を実施する。 今後は、河川流量における氷河融解水の寄与を見積もるとともに、温暖化に伴う氷河縮小が河川流量の安定性にどのような影響を与えるかについて検討する。その際、氷河上のデブリ厚さ指標となる表面温度として、観測値と計算に基づく推定値を利用するため、推定値算出のための計算方法を検討した。 また、流出モデルでは、地形および気象場による気温・降水量等の違いを考慮することで、計算の精度向上を図る。そのため、モデル入力値として領域気候モデル(WRF)による高解像度の気象データを利用するため、WRFの計算方法を詳細に検討し、WRF計算に反映した。モデルにおいて地表面は、氷河氷・積雪・氷河周囲域を考慮し、水の供給源として降雨・積雪融解・氷河融解の要素を合わせて計算を行い、河川への供給量を計算するため、衛星データを取得した。モデル計算結果は氷河質量収支・河川流量・気象の現地データと比較し検証するため、過去データの取得を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地での災害のため、観測が予定通りに進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度夏時点でのデータ回収を目指し、表面融解に影響するデブリの厚さ・内部温度勾配について観測に基づいて計算された熱抵抗値を推定する。 同時に、表面温度の現地測定を行う。研究対象氷河上の複数地点について表面温度を測定する。表面温度を計測した後、氷河研究で一般に使われているデブリの熱伝導率を使用して、デブリ厚さの指標となる熱抵抗値を算出する。これらを利用して、デブリ層下の氷河表面融解量に寄与する熱量を計算する。
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