研究課題
基盤研究(C)
生態系の劣化を招く主な要因の一つとして、窒素汚染が注目されている。とくに日本においては、近隣諸国から飛来する窒素を含む化合物(窒素降下物)が増加しており、窒素降下物の増大による汚染が生態系に及ぼす影響が強く懸念されている。コケ植物は窒素降下物を吸収しやすいために、森林生態系において窒素プールとして重要な役割を果たしているとされる。その一方で、コケ植物の窒素許容量は小さく、窒素降下物量の増大はコケ植物の減少を招き、その機能の劣化につながる恐れがある。そこで、本研究ではコケ植物が窒素のプール機能を評価するとともに、窒素降下物の増加に伴ってその機能がどう変化するか明らかにする。