• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

機械学習に基づく大気化学モデルのバイアス補正手法開発と光化学大気汚染解析への適用

研究課題

研究課題/領域番号 23K11411
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分63010:環境動態解析関連
研究機関国立研究開発法人国立環境研究所

研究代表者

森野 悠  国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 室長 (50462495)

研究分担者 茶谷 聡  国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 主幹研究員 (40394837)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード大気化学モデル / 光化学オゾン / 機械学習 / バイアス補正
研究開始時の研究の概要

高濃度オゾン(O3)の対策立案においては数値シミュレーションが不可欠である一方で、時空間的な不均一性の高い窒素酸化物(NOx)と非メタン炭化水素(NMHC)の濃度をシミュレーションで再現できない問題が、O3対策立案の阻害要因となっている。本研究では、大気観測・数値シミュレーションと機械学習モデルを統合して、O3・NOx・NMHCの整合的なバイアス補正を実施するとともに、現実的な前駆物質の濃度場に基づいて、大気O3制御戦略の基盤となるO3生成レジームの経年変動を評価する。

研究実績の概要

高濃度O3の対策立案においては数値シミュレーションが不可欠である一方で、時空間的な不均一性の高いNOx・NMHC濃度をシミュレーションで再現できない問題が、O3対策立案の阻害要因となっている。そこで、本研究では、大気観測・数値シミュレーションと機械学習(ML)モデルを統合して、O3・NOx・NMHCの整合的なバイアス補正を実施するとともに、現実的な前駆物質の濃度場に基づいて、大気O3制御戦略の基盤となるO3生成レジームの経年変動を評価することを目的とした。2023年度には、機械学習モデルの説明変数データを作成するために、地域気象モデル・大気化学輸送モデルを利用して2019年における数値シミュレーションを実施した。合わせて、モデルバイアス補正のための機械学習モデルの初期計算を実施した。ここで、目的変数に同期間のO3大気濃度、説明変数に2019年通年の気象モデル・化学輸送モデルの出力結果や排出インベントリデータ、教師データ(学習・検証データ)として大気常時監視局で測定された光化学オキシダント濃度を設定し、機械学習モデルには、Random forestとLight GBMを用いた。さらに5分割交差検証などによりモデルの精度評価を実施した。その結果、機械学習モデルを用いてバイアス補正されたO3濃度場の再現性は、我々の先行研究よりも向上していた。これは、大気モデルを更新したことにより、説明変数に含まれるO3の実測再現性が向上していたことに起因すると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

機械学習モデルの説明変数データを作成するために、計画に沿って、地域気象モデル・大気化学輸送モデルを利用した数値シミュレーションを実施した。排出量データ・地域気象モデル・大気化学輸送モデルを更新することで、研究代表者らが以前に実施した大気シミュレーション結果(木村ら, 2023)よりもO3濃度再現性が向上していた。機械学習モデルの学習手法としてRandom forestとLight GBMを実装し、学習データとして大気常時監視局で測定された光化学オキシダント、NOx、NMHC濃度データを整備した。合わせて、2019年のO3濃度を対象として、機械学習モデルによるモデルバイアス補正の初期計算を実施した。5分割交差検証などによる精度評価により、バイアス補正されたO3濃度場の再現性も、我々の先行研究より向上していることが示された。このように、研究は当該年度の計画に沿って順調に進展している。

今後の研究の推進方策

2000-2018年の地域気象モデル(WRF)、大気化学輸送モデル(CMAQ)の計算結果を準備するとともに、2019年におけるO3前駆物質(NOx・NMHC)のバイアス補正も合わせて進める。NOx・NMHCの再現性をさらに向上させるために、最適な学習・検証データ選択(交差検証)や説明変数選択 (Vsurfパッケージ)の手法を検討・評価するとともに、地球統計学的手法(クリギング)で利用した他成分濃度データを説明変数に利用することも検討する。2019年におけるO3とその前駆物質の濃度再現性を確認したのちに、2000-2019年にかけてのバイアス補正を実施する。また、MLモデルで計算される特徴量(NOx・NMHC濃度のバイアス補正時の各説明変数への感度)を、排出インベントリの精度向上に資する情報として整理する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Direct evaluation of the ozone production regime in smog chamber experiments2023

    • 著者名/発表者名
      Morino Yu、Sadanaga Yasuhiro、Sato Kei、Sakamoto Yosuke、Muraoka Tatsuya、Miyatake Kosuke、Li Jiaru、Kajii Yoshizumi
    • 雑誌名

      Atmospheric Environment

      巻: 309 ページ: 119889-119889

    • DOI

      10.1016/j.atmosenv.2023.119889

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Source apportionment of anthropogenic and biogenic organic aerosol over the Tokyo metropolitan area from forward and receptor models2023

    • 著者名/発表者名
      Morino Yu、Iijima Akihiro、Chatani Satoru、Sato Kei、Kumagai Kimiyo、Ikemori Fumikazu、Ramasamy Sathiyamurthi、Fujitani Yuji、Kimura Chisato、Tanabe Kiyoshi、Sugata Seiji、Takami Akinori、Ohara Toshimasa、Tago Hiroshi、Saito Yoshinori、Saito Shinji、Hoshi Junya
    • 雑誌名

      Science of The Total Environment

      巻: 904 ページ: 166034-166034

    • DOI

      10.1016/j.scitotenv.2023.166034

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] エアロゾルのHO2取込によるオゾンの生成抑制2024

    • 著者名/発表者名
      森野悠, 佐藤圭, 坂本陽介, Jiaru Li, 茶谷聡, 嶋寺光, 北山響, 梶井克純
    • 学会等名
      第7回アジア域の化学輸送モデルの現状と今後の展開に関する研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Model Bias Correction of Atmospheric Ozone for Evaluation of the Environmental Impacts2023

    • 著者名/発表者名
      Morino Y, Kimura C., Nagashima T, Araki S, Ueda K, Yonekura T.
    • 学会等名
      CMAS-Asia-Pacific
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Modeling studies of the effect of HO2 uptake by atmospheric aerosol on surface ozone2023

    • 著者名/発表者名
      Morino Y., Sato K., Sakamoto Y., Li J., Chatani S., Shimadera H., Kitayama K., Kajii Y.
    • 学会等名
      CMAS Conference 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 機械学習手法に基づくオゾンとその前駆物質のモデルバイアス補正2023

    • 著者名/発表者名
      森野悠, 木村知里
    • 学会等名
      第64回大気環境学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi