研究課題/領域番号 |
23K11421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
河村 香寿美 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 特任研究員 (70849538)
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研究分担者 |
鈴木 啓司 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (00196809)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 放射線 / ゲノム欠失 / LLPS / 53BP1 |
研究開始時の研究の概要 |
高線量照射により数Mbにもおよぶ大規模なゲノム領域の欠失が引き起こされることが明らかになっているが、メカニズムは不明である。そこで、近年タンパク質ダイナミクスの新たな現象として注目される液-液相分離(LLPS)に着目し、ゲノムを1セットしか持たないハプロイド細胞(ヒトHAP1細胞)を研究材料に、LLPSの阻害剤や促進剤を駆使した独自の研究により、DNA二本鎖切断(DSB)誘発にともなう修復関連タンパク質の集積が、損傷ゲノムのLLPSを引き起こし、液相中での複数DSB間の誤修復が大規模ゲノム欠失を誘発することを証明する。
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研究実績の概要 |
高線量放射線により数Mbにも及ぶ大規模なゲノム欠失が引き起こされるが、メカニズムは不明である。そこで、近年タンパク質ダイナミクスの新たな現象として注目される液-液相分離(LLPS)に着目し、ゲノムを1セットしか持たないハプロイド細胞(ヒトHAP1細胞)を用いて、DNA二本鎖切断(DSB)誘発に伴う修復関連タンパク質の集積が、損傷ゲノムのLLPSを引き起こし、液相中での複数DSB間の誤修復が大規模ゲノム欠失を誘発することを証明する。 LLPSの阻害剤や誘発剤を用い、ゲノム欠失規模の検討をおこなう方法として、これまでに論文報告しているHPRT遺伝子のexon解析及びHPRT遺伝子座周辺のSTS-qPCR解析と、全ゲノムシーケンス(WGS)を実施する。さらに、ゲノム欠失に共役した発現変化の検討のために、RNA-seqを実施する。 令和5年度は、LLPS阻害剤として知られる1,6-ヘキサンジオールを用いて、HAP1細胞における53BP1のLLPS形成阻害に適した濃度を決定した。また、1,6-ヘキサンジオール処理したHAP1細胞から、X染色体上のHPRT遺伝子の変異を指標にγ線誘発の6-チオグアニン耐性クローンを複数単離した。 さらに、既に単離していた阻害剤や促進剤を処理していない6-チオグアニン耐性クローンについて、HPRT遺伝子のexonおよびHPRT遺伝子座周辺の多重STS-qPCRを実施し、ゲノム欠失規模を検証した。加えて、これらのクローンはWGS及びRNA-seq解析にも着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は研究計画当初の予定に大きな遅れや変更がないため、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
得られたWGSとRNA-seqデータに対し、解析を実施する。 阻害剤処理群のクローンに対し、HPRT遺伝子のexon解析及びHPRT遺伝子座周辺のSTS-qPCR解析をおこなう。
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