研究課題/領域番号 |
23K11429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
福本 学 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 客員主管研究員 (60156809)
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研究分担者 |
大野 剛 学習院大学, 理学部, 教授 (40452007)
鈴木 正敏 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (60515823)
遠藤 暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (90243609)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 福島原発事故 / 野生ニホンザル / アーカイブ / 線量評価 / 放射線病理学 / 放射性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
生物にみられた変化が放射線に起因したかを証明するためには、頻度や程度が線量に伴って変化していることを証明する必要がある。外部・内部被ばく、線量・線量率のどの組み合せが最も関与するかを知るためにも、正確な線量評価が不可欠である。本研究では、福島原発周辺の野生ニホンザル(被災サル)を用いて、研究者間で共有できる正確な線量評価法を確立し、野生動物への影響調査の情報を共有できるようにする。実験的に既知の線量を照射したマウス組織について、同様な変化が被災サルで見つかるか、線量評価と矛盾していないかを検討する。これらによって被災動物アーカイブの構築が長期放射能汚染の生態影響調査に有益か否かを確認する。
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研究実績の概要 |
我が国において、野生ニホンザルは、ヒトに最も近い霊長類に属し寿命が20年と長いため低線量率長期被ばくの人体影響を知るために最適である。本研究は、福島第一原発事故被災動物、殊に野生ニホンザルのアーカイブを構築すること、さらに、アーカイブの利用を通して放射線の人体影響について科学的な知見を得ることが目標である。実験室と異なりフィールドワークにつきものの、時間的・空間的を含めた多様な攪乱要因の影響を排除して放射線影響を解析する必要がある。そのために個体の被ばく線量のより正確な評価は必須である。外部被ばく線量は空間線量から推定できるが、体内に摂取された放射性物質によって起こる内部被ばく線量を推定するために、臓器の放射能濃度から臓器別の線量換算係数が必要である。2023年度に合計84頭のサル試料を収集した。アーカイブの累積個体数は、被災サル657頭、非被災対照254頭となった。残念ながら、サルはICRPの標準動物となっていないため、独自の正確な線量評価系を構築する必要がある。そこで、ニホンザルのボクセルファントムを作成し、内部被ばく臓器線量評価のためのCs-134、Cs-137、I -129、I-131の内部被ばく臓器線量率換算係数を推定した。具体的には、体重約11kgの雄サルのCT画像を撮像し、それを基に16臓器と骨を定義した3次元モデルおよびボクセルフアントムを作成した。また、ボクセルサイズを変更することで6段階の異なる体重群に対応するボクセルフアントムも作成した。内部被ばく臓器線量率換算係数は、Particle and Heavy Ion Transport code System (PHTTS)を用いて導出した。その結果、各臓器の線量率換算係数はサルの体重に依存していることが確認された。また、各臓器の内部被ばく臓器線量率は、標的臓器と線源臓器が一致する場合のみ考えればよく、他臓器からの寄与は無視し得ることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生動物アーカイブ構築は粛々と進んでいる。しかし現時点では、人工知能を用いた解析を可能にするために必要な数の実験的に低線量・長期被ばくした動物組織の入手が困難である。
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今後の研究の推進方策 |
収集した個体の集積線量の正確な評価に、歯エナメル質の年輪の数による年齢査定が必須であるが、査定する個人による差が無視できないことが明らかとなった。そのため、安定した査定結果を得るように計測条件を一定にする。 外部被ばく線量を空間線量から集団として評価するのではなく、各個体別に低線量でも計測できるようにする。
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