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放射線発がんの起源細胞を決める組織微小環境とは?ー被ばく時年齢による影響ー

研究課題

研究課題/領域番号 23K11432
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分63020:放射線影響関連
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

砂押 正章  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線影響研究部, 主任研究員 (70756030)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード放射線発がん / 胸腺リンパ腫 / 被ばく時年齢 / 組織微小環境
研究開始時の研究の概要

がんは、放射線被ばく後の代表的な晩発影響であり、若年期の被ばくほど影響は大きい。近年、がんになる細胞の周囲の環境(組織微小環境)の変化が、発がんにおいて重要な役割を担うことが示唆されている。マウス胸腺リンパ腫はヒトT細胞急性リンパ性白血病のモデルであり、被ばく後早期に胸腺リンパ腫を発症する。この発がんにおいて、胸腺の微小環境が重要な役割を担うことが分かっているが、その分子メカニズムや被ばく時年齢との関連については未解明である。本研究では、マウス胸腺リンパ腫モデルと組織培養法を組み合わせ、被ばく時年齢に依存して組織微小環境が変化し、それが異なる細胞増殖シグナルの選択に結びつくことを明らかにする。

研究実績の概要

がんは、放射線被ばく後の代表的な晩発影響であり、若年期の被ばくほど影響は大きい。近年、がんになる細胞の周囲の環境(組織微小環境)の変化が、発がんにおいて重要な役割を担うことが示唆されている。例えば、手術などの組織損傷による炎症反応は休眠している腫瘍細胞の増殖を活性化するなど、炎症による組織微小環境の変化は組織内の細胞動態を大きく変化させる。また最近では、年齢に応じた組織微小環境が、将来がんになる細胞(がんの起源細胞)の選択に強く関わることも明らかにされた。マウス胸腺リンパ腫はヒトT細胞急性リンパ性白血病のモデルであり、被ばく後早期に胸腺リンパ腫を発症する。この発がんにおいて、胸腺の微小環境が重要な役割を担うことが移植実験によって分かっているが、その分子メカニズムや被ばく時年齢との関連については未解明である。これまでに研究代表者らは、上記マウスモデルにおいて、被ばく時年齢の違いにより、異なる細胞増殖シグナルが発がんに関わることを明らかにしている。本研究では、マウス胸腺リンパ腫モデルと組織培養法を組み合わせ、被ばく時年齢に依存して組織微小環境が変化し、それが異なる細胞増殖シグナルの選択に結びつくことを明らかにする。2023年度は、動物実験を開始し、発がん処理のための照射実験、並びに照射後早期のタイムポイントにおける臓器の採取が完了した。また、胸腺細胞の組織培養実験について、組織培養に必要な胎児胸腺を作出するための親マウスを購入し、実験を開始した。放射線発がんに関する情報収集のため、日本放射線影響学会第66回大会(一部、ICRP国際シンポジウムと合同開催)に参加した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

照射後に組織中に分泌されるサイトカインを調べるための実験は、計画通りに動物実験が進行している。胸腺細胞の組織培養実験についても、ほぼ予定通りに実験を開始した。一方で、組織培養実験では、培養時に用いる血清および組織中で発現するサイトカインの種類と量に関するベースラインのデータを取得する必要があると考えられたため、今後、組織培養中の胸腺微小環境に関するデータの取得を、解析項目として追加する予定である。

今後の研究の推進方策

2024年度の前半に照射後の組織の採取を終了し、後半には組織中の炎症、免疫、がんに関わる複数のサイトカイン等を解析し、被ばく時年齢による差を示すものを同定する予定である。並行して、胸腺細胞の組織培養実験を進め、まずは組織培養時の胸腺微小環境に関するベースラインのデータ取得を進める。その後、照射マウス由来の胸腺細胞を胎児胸腺に導入・培養することで、照射後の胸腺細胞の培養を行い、分化異常を示す細胞を捉える実験を開始する。照射後に特徴的な変化を示したサイトカイン等が同定された場合は、組織培養時にそのサイトカインをサプリメントとして添加し、生体内を模擬した組織培養条件を設定する予定である。これら解析により、発がんに関与する胸腺微小環境の被ばく時年齢依存的な変化とその後のリンパ腫発生の機序との関連性を明らかにする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The mechanistic analysis of carbon-ion induced mouse thymic lymphoma -Involvement of aberrant expression of Grb10 with carcinogenesis-2023

    • 著者名/発表者名
      Masaaki Sunaoshi, Erika Takahashi, Yoshiko Amasaki, Kazuhiro Daino, Mayumi Nishimura, Yoshiya Shimada, Daisuke Iizuka, Shizuko Kakinuma
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第66回大会(一部、ICRP国際シンポジウムと合同開催)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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