研究課題
基盤研究(C)
長期の地球外活動では、中性子線に代表される宇宙放射線の被曝により飛行士の健康が損なわれる可能性が否定できない。中性子線は低LET放射線と比較して発がんリスクが高く、高い生物学的効果比を示すと考えられており、疫学調査や動物試験における中性子線誘発がんのリスク評価研究が行われてきたが、中性子線特異的な発がんの分子機構は未だ不明な点が多く、早急な科学的解明が望まれている。そこで本研究では、放射線感受性の高い臓器の一つである肺に着目し、中性子線照射によって生じたマウス肺がんを材料に、宇宙放射線被ばくに特徴的な分子指標(遺伝子変異など)を明らかにすることを目的とした。