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イベリアトゲイモリを毒性試験のモデル動物として活用するための基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K11437
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分63030:化学物質影響関連
研究機関鳥取大学

研究代表者

大林 徹也  鳥取大学, 研究推進機構, 准教授 (80348804)

研究分担者 秋田 正治  鎌倉女子大学, 家政学部, 准教授 (30231822)
林 利憲  広島大学, 両生類研究センター, 教授 (60580925)
河野 清尊  米子工業高等専門学校, その他部局等, 嘱託教授 (90225376)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードイベリアトゲイモリ / 発生毒性試験 / 安全性試験 / 画像解析 / 受精胚 / 動物愛護 / 動物実験代替法 / ゲノム編集
研究開始時の研究の概要

イベリアトゲイモリは、申請者らが動物実験に利用するために開発してきた新しい有尾両生類モデル動物であり、遺伝的コントロールされた高品質の個体を通年安定に供給できる、ゲノム編集が容易といった特徴を持つ。
本研究では、イベリアトゲイモリが、医薬品や化学物質の毒性試験のためのモデル動物として活用できるか検討するための基盤研究を行う。具体的には、胚発生期におけるエピジェネティクス毒性と成体期における腎毒性に注目した実験を行う。

研究実績の概要

イモリは発生学や再生医学などの研究や教育で用いられてきたモデル動物であるが、一般的に室内での繁殖が困難であることから、実験動物としての利用は限定的であった。本年度は、イベリアトゲイモリがマウスやラットのような実験動物として動物実験室内にて安定的に飼育・繁殖できるプロトコルを確立するとともに、化学物質の発生毒性試験に活用するために必要な技術開発を進めた。具体的には、(1)体外受精胚を一年間通じて安定かつ大量に作成する条件、(2)AI画像解析システムによる発生毒性試験に適した良好胚の選別システム、(3)複数の受精胚の形態変化の自動撮影するシステムを開発した。これら開発したシステムを活用して、マウスやラット、ゼブラフィッシュなどで発生毒性作用が明らかになっている化学物質をイベリアトゲイモリ体外受精胚に投与したところ、他の種と同様の表現型(発生異常、催奇形性など)が観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画よりも、化学物質の発生毒性試験に活用するために必要な技術の開発を進めた。ラットやゼブラフィッシュを活用した既存の発生毒性試験と比較することにより、イベリアトゲイモリ体外受精胚を活用した試験において、受精胚の中から発生が途中で停止するような不良胚を除き、孵化まで正常に発生する良好胚を高い割合で選びだすことが重要であると判断した。人や牛の体外受精胚の評価に活用されているAI画像解析システムをイベリアトゲイモリ受精胚の品質評価に活用することにした結果極めて高い割合(90%以上)で良好胚を選別するシステムとAI画像解析に必要な大量の画像データを自動取得できるシステムを開発することに成功した。一方で当初計画していた病理解析に関しては遅れが生じている。なお毒性メカニズムの検証のために用いるゲノム編集イモリの作成に関しては、対象遺伝子の同定を済ませており順調に進捗している。

今後の研究の推進方策

動物実験に対する社会的な関心の高まりから、ラットや犬といった哺乳動物を用いた毒性試験の代替試験法の開発が国際的に望まれている。本研究で開発しているイベリアトゲイモリ体外受精胚を用いた発生毒性試験は、EUが定めた科学目的に使用される動物の保護に関するガイドライン(2010/63/EU)において動物実験には該当しない。この発生毒性試験法は新たな動物実験代替法としても認められるように動物愛護や動物福祉を十分考慮して開発を進めていく予定である。またゼブラフィッシュを用いた発生毒性試験法はすでに国際的に利用されてきていることから、個の試験法と比較しながら研究を進める。またAI画像解析や自動撮影システムなどの医工学分野との連携を進めることで、毒性試験の精度の向上も目指す。なお当初よりも遅延している病理解析に関しては研究分担者ならびに研究協力者と連携をより深めていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Hatchability evaluation of bovine IVF embryos using OCT-based 3D image analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Masuda Y, Hasebe R, Kuromi Y, Hishinuma M, Ohbayashi T, Nishimura R
    • 雑誌名

      Journal of Reproduction and Development

      巻: 69 号: 5 ページ: 239-245

    • DOI

      10.1262/jrd.2023-009

    • ISSN
      0916-8818, 1348-4400
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] イベリアトゲイモリを化学物質の安全性試験に活用する取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      大林徹也、足立昭子 、大西弘志、林利憲
    • 学会等名
      日本爬虫両棲類学会第62回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 有尾両生類の新規モデル動物イベリアトゲイモリの導入2023

    • 著者名/発表者名
      林利憲 、岡本和子、大林徹也 、竹内 隆
    • 学会等名
      日本動物実験代替法学会 第36回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 大林徹也 、足立昭子、大西弘志、林利憲、秋田正治2023

    • 著者名/発表者名
      イベリアトゲイモリを用いた発生毒性試験の開発
    • 学会等名
      日本動物実験代替法学会 第36回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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