研究課題
基盤研究(C)
希少淡水魚の生息地は著しく小集団化し、自然回復する見込みはほとんどない。これからの遺伝的管理対策として「適応的な固有性を保存しつつ、遺伝的多様性を補強するための保全的移植」を念頭に入れるべきだが、適応形質の評価は難しく、多くは中立的な遺伝子の多様性評価にとどまる。本研究では、これまでの研究によって示唆された絶滅危惧種シナイモツゴの繁殖戦術と生活史の特徴に着目した飼育実験とゲノム解析を行い、それらの特徴が「近年の小集団化に起因する形質」あるいは「閉鎖的水域への進化的な適応形質」なのかについて明らかにし、保全的移植による遺伝的管理について総括する。